既存のインターネットサービスプロバイダー(ISP)がGoogleを恐れるあまり追加料金なしで通信を高速化する。米国で、そんな流れをGoogleが作り出している。Googleの狙いは、地域内にISPがただ1つというケースが多い地方都市圏におけるISPの独占状況をひっくり返すことにある。
しかも、Googleが既存ISPより優れたサービスの提供を全面的に開始したというわけでもない。市場への進出を発表しただけでも十分なインパクトだった。
Time Warner Cable(TWC)は米国時間4月8日、競合する「Google Fiber」とAT&Tの「Gigapower」がノースカロライナ州のシャーロット地区に進出することを受け、テレビとブロードバンドの次世代サービス「TWC Maxx」を同地区で提供すると発表した。これにより、プラン次第という落とし穴はあるが、数多くの家庭と企業でインターネットの速度が最大で「6倍も高速」になる。
ケーブルテレビ大手のTWCは、Ultimateプランの場合、接続速度が50Mbpsから300Mbpsへと大幅に高速化するとはっきり述べている。時期は確定していないが2015年夏に追加コストなしで高速化が実施されるという。
TWCの顧客にとっては嬉しい知らせだ。
ただ、面白いことに、Googleはまだ同地区に進出していない。作業は始まっており、2015年中にサービスの開始日が明らかになる予定だ。
Googleは1月、ノースカロライナ州のシャーロットおよびローリー・ダーラム地区にある都市に進出することを発表した。高速インターネットを広く普及させたいGoogleは、約300万人に最大1Gbpsのインターネット接続(米国の平均より100倍以上高速)を提供する意向だ。
Googleのこの発表の前に、Obama米政権は、地方の一部ISPが特定のエリアを独占できるようにしている法律の停止を確約していた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」