デザイナーという職業でなくても、ビジネスパーソンが「デザイン」を軽視できなくなっているようだ。デザインに関するビジネス書を多くみかけるようになって数年経つが、本書はちょっと違う。タイトルに「問題解決ラボ」とあるように、デザインそのものを解説するわけではなく、「なぜデザインをするのか」「なぜこのようなデザインになったのか」、その過程を解き明かしてくれている。
「なぜ」と思うことは非常に重要だ。「なぜ、その形でなければだめなのか」「なぜ、デザインの変更が必要なのか」「なぜ、このデザインが海外でもウケるのか」――考え出すとキリがないが、小さな疑問も放っておかずに、とことんまで突き詰めて考えることが、問題を解決する糸口になるのだ。
本書は、思考の過程を、とても分かりやすく説明している。これ以上分かりやすい本はないと思えるほどだ。「ひらめき」を形(デザイン)にする人の誰もが、こうした思考の過程までを詳細に説明できるわけではないだろう。その点で、本書はとても貴重な1冊になっている。読み進めるごとに、まるで自分でも簡単にできそうな気がしてくる。何度も読み返したくなるだろう。
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