「AI構築はロケット打ち上げのよう」:人工知能のリスクなど研究する起業家、Skype共同創業者J・タリン氏に聞く

Kalev Aasmae (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎2015年03月20日 07時45分

 Skypeの共同創業者は、人工知能による絶滅の脅威から、人類を守りたいと考えている。

 多くのテクノロジ企業が、研究が急速に進み、潜在的なメリットが大きい人工知能(AI)に、リスクを考えずに全力で取り組もうとしている。

 2015年の初め、TeslaとSpaceXを作ったElon Musk氏が、Future of Life Instituteに1000万ドルを寄付し、AIが人類に害を与える可能性を防ぐことを狙ったグローバルな研究プロジェクトの資金とした。同機関は2014年3月にJaan Tallinn氏が共同設立したボランティア運営の研究・支援組織で、Tallinn氏はSkypeとKazaaを立ち上げたエンジニアとして、最も有名なテクノロジ分野のエストニア人起業家だ。

 ボストンに本拠を置く同機関は、人間レベルの人工知能を開発することによる潜在的なリスクの研究に力を入れており、同組織の科学諮問委員会のメンバーには、Stephen Hawking氏、Elon Musk氏、およびMIT、オックスフォード大学、カリフォルニア大学バークレー校、ケンブリッジ大学などからの数名の教授が含まれている。

 Tallinn氏はMusk氏の投資を受けた際に、「AIの作成はロケットの打ち上げのようなものだ。最初の挑戦は最大の加速を得るためのものだが、速度が上がるにつれて、方向を定めることが重要になる」と述べている。

 Tallinn氏は米ZDNetに対して、ゲーム業界での10年近くの経験から人工知能に興味を持つようになったが、同氏は最近になって、このテクノロジの安全性を確保することに興味を持つようになったと話した。

 同氏のキャリアは、1986年に16歳で、公立学校で使う8ビットコンピュータを組み立てる地元の会社のためにソフトウェアを書いたことから始まった。その3年後、Tallinn氏は国外でリリースされた最初のエストニア製コンピュータゲームである「Kosmonaut」の制作に関わった。また1993年には、Bluemoon Softwareを共同設立したが、同社はFastTrack P2Pプロトコルを生み出し、開発した。このプロトコルは、有名な音楽共有アプリケーション「Kazaa」で使われたものだ。

 その後同氏は、Bluemoon Softwareの共同創業者であるAhti Heinla氏とPriit Kasesalu氏とともに、Kazaaのバックエンドを使ってSkypeのソフトウェア開発を支援した。

 同氏は最近、さまざまな急成長中のテクノロジに対して大きな関心を寄せている。たとえば同氏は、2012年に個人に合わせた医療コンサルティング企業MetaMedを共同設立したほか、約6億5000万ドルでGoogleに買収された人工知能の会社である、DeepMind Technologiesにも初期から投資している。

 同氏はまた、人類にとってのAIのリスクを研究する2つの組織を共同設立した。Future of Life Instituteを設立したのに加え、ケンブリッジ大学のHuw Price教授とMartin Rees教授とともに、The Cambridge Centre for the Study of Existential Risk(ケンブリッジ大学絶滅リスク研究センター、CSER)の設立も支援している。

 同氏は以前から、技術と技術が人類の未来に与える影響に強い関心を持っていた。

 「私は長年の間、いわゆる『X-riskエコシステム』の動向を追いかけ、支援してきた」とTallinn氏は言う。これは、テクノロジによる「絶滅の危機」を減らそうと活動する組織などを指す。「Future of Life Instituteは(宇宙学者の)Max Tegmark氏が著書を書き終えた後、自由になった時間で何か重要なことをしたいと発言した時に始まった。私は同氏が非常に能力の高い人であることを知っていたので、すぐに同氏のプロジェクトに参加して、支援することを決めた」とTallinn氏は言う。

Jaan Tallinn氏
Jaan Tallinn氏
提供:Jarek Joepera/Ambient Sound Investments

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