多くのユーザーを動揺させる可能性がある変更点は、ポートと接続端子に対する新しいアプローチだ。今回のMacBookではポートが徹底的に削減され、2つしか搭載されていない。電源や一般的なアクセサリの接続端子として使用するUSB-Cポートと、標準的な3.5mmヘッドホン/マイクコンボジャック(現行MacBookのジャックと同様のもの)だけだ。
電力供給には、長いUSB-Cケーブルを使う。このケーブルは、コネクタが現行の「USB-A」設計より小さく、どちらの面を上にしても接続することができる(両手利きのコネクタと呼んでもいいだろう)。これを標準的な電源アダプタに差し込む。電源アダプタは見た目も感触も「iPad」に同行されているものに非常に似ているが、USB-A端子ではなくUSB-C端子を備えている点だけが異なる。
ノートブックの歴史において間違いなく重要な進歩の1つである「MagSafe」は、姿を消した。新しい電源プラグは接続用の磁石が全く使われておらず、端子に差し込むだけだ。コネクタはかなり浅いため、誤ってケーブルを踏むなどして引っ張ってしまうと、抜ける可能性が高いが、MagSafe採用の電源プラグほど事故を防げる作りになっているとは感じられないはずだ。
たくさんある周辺機器はどこに接続すればいいのか、と疑問に思う人もいるかもしれない。Appleは、802.11ac Wi-FiとBluetooth 4.0を組み合わせることで、接続に関するほぼすべての問題に対応できるはずだと示唆しているが、それは明らかに事実と異なる。USBキーやSDカードはどうなるのか。ノートブックを直接テレビやモニターに接続して動画を出力するユーザーも多い。単純に、イーサネットケーブルでしか利用できない安定した高速インターネット接続が必要になることもある。
こうした事例に当てはまる人は、多数のドングルを持ち運ぶことを覚悟しておこう。そのすべてを唯一のUSB-Cポートに接続する。Appleは数種類のドングルを披露した。最もシンプルなものは、一方の端がUSB-Cプラグで、もう一方の端がUSB-Aポートの短いケーブルだ。これを使えば、あらゆる標準的なUSBデバイスを接続することができる。価格は19ドルだ。
もっと複雑なのは、VGAまたはHDMI動画出力と、1基のUSB-Aポート、1基のUSB-Cポートを組み合わせた小型の接続アダプタだ。このアダプタでは、同時に電力を供給することができる。電源アダプタに接続された接続アダプタをMacBookに差し込むというのは面倒に思えるが、進取的なアクセサリメーカー各社は廃止されたポートを補うために、ドッキングや接続用のさまざまなアドオンの開発に真剣に取り組んでいるはずだ。
2008年に発売された初代MacBook Airを振り返れば、同ノートブックも単一ポート設計を採用しており、USB 2.0ポートが1基搭載されていただけだった。その後、HDMIから「Thunderbolt」、SDカードスロットまで、さまざまなポートが追加されていった。
ユーザーの入力ツールやスクリーンサイズの変更以上に新型MacBookの価値を決定づけるのは、パフォーマンスとバッテリ持続時間だろう。IntelのCore M CPUは非常に大きな可能性を秘めているが、われわれが同CPUを搭載する他のシステムで行ったテストでは、まだ印象に残るような結果を出していない。
それを除けば、この新型MacBookは、小型化と高解像度化を実現したスクリーンから新しいキーボードとトラックパッド、薄型化、軽量化された筐体まで、Macウォッチャーが期待したものをほぼ網羅している。しかし、宣伝通りの性能かどうかは、この12インチMacBookの最終バージョンで完全なベンチマークテストを実施するまで分からない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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