資本関係のないゲーム開発4社が仕切りなしのワンフロアで業務--相乗効果の狙いを聞く - (page 3)

佐藤和也 (編集部)2015年03月13日 09時00分
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お互いをリスペクトし「無理に何か一緒にする必要はない」というスタンス

--逆に不便だと感じたところはありますか。

梅田氏:不便とはすこし違いますが、たとえば会議室は共有部分で、別の会社の使用時間が押してしまうようなこともありますけれども、細かいところについてはお互いがリスペクトして気を遣っていく、声をかけていきましょうということは話をしています。あと個人的にですが、茶谷さんがちょっかいを出してきて仕事にならないことぐらいです(笑)。

茶谷氏:私も不便はありません。別々のフロアだったのが全員が集まってワンフロアで、1箇所から全員の状態が見られるというのは、すごくいいことだと思います。まだ造成も出来ていない状態から最初に入居させてもらったのですけど、無駄に広くて走り回って、でんぐり返しとかしてました(笑)。

松田氏:不便だと感じたことは何もないと言い切れます。少人数の狭い部屋で仕事をしていると、技術者にしてもスタートアップの最初のころはキラキラと仕事にまい進していても、プロジェクトが中期ぐらいにさしかかってくると、内部のことや目の前のことしか見なくなります。経営者の立場では、他社さんのゲームタイトルを知ることや、世間におけるゲームの動向を知ったり共有して、勉強にしたり危機感を持ってほしいのです。そんななかで各社が違うペースと締め切りで動いているというのが、空気がよどまず流れているようで、そんな空気感がいいです。

丸山氏:いいことづくめですね。不便なのは町田から通うのが大変で、足が棒のようになることぐらい(笑)。でもそれは私含め社員社宅を移転すれば解決しますので。あとは似たような環境の経営者同士なので、悩みについて共感してもらえるというのがいいですね。やはりトップとなると、その悩みをスタッフにぶつけるわけにはいかず、飲み込まないといけない。そのあたりをわかってくれる人たちが近くにいるというのも精神的に大きいです。

茶谷氏:ガルチは人数が多いのもあるのですけど、わりとざわざわと話をしていることがあるので、うるさく感じられてないかなと気にすることはあります。

梅田氏:いや、ガルチさんがうるさいのではなくて、茶谷さんが笑い声をいつも出していて、それが響くんです(笑)。でもそれがいいんです。ゲームの開発は何らかしら問題を抱えながら仕事をしているものですから、そんななかで笑い声が響いてくると、それだけで明るくなります。

丸山氏:グレフは私を含めてタイトーにいたスタッフで立ち上げた会社なのですけど、今の雰囲気は当時のタイトーに似ているんです。100人ぐらいのスタッフがいてにぎやかにしているチームもあれば、作業に没頭するようなチームもあると。千差万別あって色がある。いろんな人間がいろんな開発に携わっているという空気感は、昔を感じたことです。逆に若いスタッフは十数人の限られた空間での業務でこういった空気感を知らないので、体験してもらう意味でも有意義だと感じています。

アーケードゲームの開発を手がけている会社もあることから、ゲームセンター用の筐体も設置。ポップはガルチのスマホゲーム「リリーと魔神の物語」のキャラクター
アーケードゲームの開発を手がけている会社もあることから、ゲームセンター用の筐体も設置。ポップはガルチのスマホゲーム「リリーと魔神の物語」のキャラクター

--ちなみにこの先、資本まで踏み込んだ提携というのは考えられていますか。

梅田氏:ウチもほかのみなさんもそうだと思いますが、考えていません。少なくとも今後の資本関係を見据えたものでは絶対にありません。実際に運用をしはじめて思うのですけど、それぞれに強いプライドやカルチャーが混在するなか、一緒に何かをすることを無理に考えなくていい。それよりは個々の事業を推進していくなかで、もし何かあれば一緒にやりましょうというスタンスでいいと。

 過去を振り返るとゲームに限らずさまざまな企業の合併や資本提携がありますけれども、全てがうまくいっているわけではありません。今は一緒の場にいるというだけで楽しいしプラスになっていると。それをあえて壊しにいく必要もないです。また一緒の場だからこそ、企業として大事にしているテリトリーやプライドもわかってきます。それでわかり合えるなら手をつないだほうがいいときもありますし、わかっているからこそ場は一緒でも独立して動いた方がいいということもあります。とりあえず今の状態で十分で、あわてて何かをする必要はありません。

--それぞれみなさんは今後、この場所でどのようなことをしていきたいですか。

茶谷氏:4社合同で何かをするということのビジョンはまだ見えませんが、自分たちがもともとあったビジョンはかなえていきたいと。スピード感を持ってみんなとやっていけたらと思いますね。

梅田氏:私自身の起業自体は10年ぐらい経過していますけれども、イルカアップスは立ち上げから1年程度なので一番若い会社です。会社自体は大型の受託案件をこなしつつも力を蓄えて、中小規模のカジュアルアプリの自社パブリッシングに向けてやっていきたいです。

松田氏:我々はクリエイターとしての原点回帰を目指すと。インディーズという規模になりますけれども、スマートフォンのプラットフォームのなかで、自社タイトルのゲームでどこまでのことができるのかを徹底的に突き詰めることです。今年はドラゴンファングに集中してどこまでのことができるのか、どこまで広められるかに取り組みます。その先は、クリエイターの可能性の模索として新作はもとより、前例がないことをやり続けたいと。

丸山氏:社歴は4社で一番古いですけれども、モバイルデバイスのソーシャルゲームに関してはまだまだ浅くて、みなさんのほうが先輩だと思っています。これまであまりやってこなかったのは、やりたかったのですけど、単に乗り出すタイミングを失っていただけのことなので。近々の目標としては自社タイトルを出すことです。それがコンシューマ、アーケード、スマートフォンなのかはわかりませんけど、自社タイトルはご無沙汰しているので、なにかしらの形でリリースしたいです。そのための推進力となるのが、今回の移転です。あとはみなさんと一緒で、面白い取り組みをして形になるものを残したいとは思いますね。

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