沖田氏:シンプルに、PASELIを導入したら売上が上がらなければならないでしょう。それが一番のメリットだと思いますし、それが成り立っているからこそPASELIを導入してもらえていると考えています。あとはPASELIを使用した場合、少額課金で遊べるモードも充実してきたこともあって、利用率も上がってきていると感じています。
今後は広く展開していくなかで、こちらで持つ利用者動向といったデータの提供も進めていきたいと考えています。今まではビッグデータをどのような形でフィードバックすれば良いのかが見えていませんでしたが、徐々に提供するデータを増やしていくことでオペレーター側の運営も変えていけるのではと。
沖田氏:e-AMUSEMENT Participationはあくまでコンテンツ販売としての位置づけであり、PASELIは電子マネーサービスとして別に機能しているものです。たしかにPASELIを利用してのプレイには決済代行手数料も発生しますが、硬貨で遊ぶときよりも楽しめる形になるので、より集客効果があってインカムも上がります。仮にほかの電子マネーサービスを活用したとしても決済手数料は発生するでしょうし、現状ではKONAMIのタイトルのみでの展開ですのでそのような印象を受けるかもしれませんが、広く展開すればそれぞれ独立したサービスと感じていただけると考えています。
沖田氏:他社さんの発表についてはあくまでマルチ電子マネー決済装置の導入と受け止めています。PASELIは電子マネーサービスそのものという位置づけなので、競合関係とは考えていません。むしろ競合というなら、今ある交通系やショッピング系の電子マネーサービスが競合になるかと思います。
とはいえ、交通系電子マネーの発行枚数や決済額を上回る規模を目指すかといえば、それは無理な話ですし、目指しているところが違います。結局のところ電子マネーはより便利に、よりお得にという世界です。ゲームセンター発の電子マネーのありかたは、より楽しい、より面白いを提供することです。それもあって、PASELIポイントを導入することにしたのです。たまったポイントをPASELIに交換したりゲーム内アイテムが入手できたり、または複数タイトルを遊ぶとメリットがあるといった、PASELIを使えばさらに面白くなる施策をもって、ほかの電子マネーと差別化をします。
沖田氏:ビジネスモデルによるところもありますが、そもそもゲームを遊ぶ環境というのはがらりと変わっています。昔の、それこそ20年前や10年前ぐらいであれば、ゲームを遊ぶと言えばゲームセンターと言える時代でしたが、今ならスマートフォンのゲームを遊ぶ人が圧倒的に多くて、ファーストフード店に入ってスマホで遊ぶという光景も珍しくないです。そこには、メーカーとしてゲームセンターならではの遊びや楽しみ方の提供が足りていない側面もあるかと思います。やはり面白いものをきちんと提供することが、活気づく第一歩です。
店舗数が減少している状況であることは間違いないですが、私は日本からゲームセンターがなくなることはないと考えています。今は環境が変わり、ゲームセンターのありかたそのものが変わってきているなかでの過渡期だと考えますし、需要と供給のバランスが整ってくれば、再拡大するものだと考えます。
JAEPO2015では「ディズニー ツムツム」や「モンスターストライク MULTI BURST」といった、人気スマホゲームのアーケード版を出展しましたが、スマホがきっかけでゲームを遊ぶようになったお客様にむけて、ゲームセンターはもっと面白い場所ですと、呼び込んで体感してもらう狙いもあって展開しています。オンライン対戦が主流になりつつありますが、ひとつの筐体を共有して楽しむことができ、リアルな人間関係で楽しむ場でもあります。リアルとバーチャルを融合した遊びを提供できるのがゲームセンターです。
厳しい状況ではありますが、まだまだ可能性はあります。私たちはメーカーなのでオペレーターと協力しながらになりますが、ゲームセンターという場所を変えていくという意気込みで取り組みます。メーカーとしてもより人が集うこと、新たな遊び方の提案と体験ができることを意識して、ゲームを供給していきます。
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