NTTドコモは3月2日、神奈川県横須賀市で実施した第5世代移動通信方式(5G)の屋外実験で、15GHz帯の高周波数帯を用いて受信時4.5Gbps以上の高速通信に成功したことを発表した。5Gがめざす性能を実現する第一段階の実験で、エリクソンと共同で実施したという。
また、さらに高い周波帯であるミリ波を活用した5Gの移動通信を実現する「ビーム追従機能」の検証のため、ノキアネットワークスと進めてきた屋内実験で、2014年12月に70GHz帯を用いて受信時2Gbps以上のデータ通信にも成功している。これまで6GHz以上の高周波数帯の電波は、減衰が大きく遠くまで電波が届きにくいことから、移動通信サービスでの利用が難しいとされてきたが、5Gの高速通信の実現により多くの周波数帯域幅を必要とするため、高周波数帯の活用に向けた技術検証を行ったとしている。
同社は2014年5月にAlcatel-Lucent、エリクソン、富士通、日本電気(NEC)、ノキアネットワークス、Samsung Electronicsの6社と5Gに関する実験協力に合意している。ミリ波帯でのさらなる通信性能の改善や6GHz未満の周波数帯の活用についての検証を進めるため、2014年12月に三菱電機、2015年2月にファーウェイとそれぞれ新たな協力について合意し、計8社と5Gの実験を推進するとしている。
ドコモは、2020年7月に開催予定の東京オリンピック、パラリンピックまでに、モバイル環境で競技ハイライトの臨場感のある超高精細映像や、複数の角度から視聴ができるマルチビュー映像を楽しめるよう、5Gの研究開発に取り組むとしている。
なお、同社は中国のチャイナモバイル、韓国のKTと、5G技術開発推進に向けた協力について、3月1日に合意したことも発表している。
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