NTTドコモは2月25日、LTEをさらに高度化した通信方式「LTE-Advanced」を使用した受信時最大225Mbpsの通信サービスを3月27日より開始すると発表した。
LTE-Advancedの主要技術の1つで、複数の周波数帯を束ねる「キャリアアグリゲーション(CA)」により実現する。受信時最大225Mbps/送信時最大50Mbps。このLTE-Advancedサービスを、ドコモは次世代のLTEとして「PREMIUM 4G」と名付けた。2015年度内には300Mbpsまで高速化を進めるとしている。
ドコモのCAは、(いずれも受信時最大)75Mbps(800MHz)+150Mbps(1.7GHz)または112.5Mbps(1.5GHz)+112.5Mbps(2GHz)を束ね、いずれも受信時最大225Mbpsを実現する。複数の周波数帯を利用することで、ある周波数帯の電波状況が悪化しても別の電波状況がよい周波数帯で通信でき、安定した通信が可能になるという。
商用環境でのフィールドテストは2014年11月から神奈川県横須賀地区、茨城県鉾田地区、北海道札幌地区で行っており、いよいよ全国22都道府県38都市の都市部から重点的にエリア展開する。都内ではJR山手線の池袋、新宿、渋谷、品川、東京などの主要駅からスタートする。エリアの詳細は、ウェブサイトから確認できる。
なお、日本ではUQコミュニケーションズがCAを利用し、最大220Mbpsを実現する「WiMAX 2+」 を栃木県真岡市でスタートしたばかりだ。
従来のドコモのLTEと比較すると、ファイルサイズ約400Mバイトの動画をダウンロードした場合、LTEは34秒かかったのに対し、PREMIUM 4Gは20秒で、LTEと比べて60%に短縮できる(東京・ドコモラウンジにおける速度比較)としている。
また、より多くの人が同時に高速通信できる環境の実現に向けて、通信容量の拡大を実現する新技術「高度化C-RAN」を導入し、特に通信トラフィックが集中するエリアで安定した高速通信を提供する。札幌でファイルダウンロードの実効速度を測定したところ、LTE比で70%アップしたという。
対応端末は、現在のところモバイルWi-Fiルータのみで、「Wi-Fi STATION HW-02G(発売中)」と「Wi-Fi STATION L-01G(3月発売予定)」の2種類。2015年度早期に「LTE-Advanced」対応のスマートフォンを発売するなど、順次拡大するとしている。
NTTドコモ 取締役常務執行役員の大松澤清博氏は、「2015年度内に300Mbpsへ高速化し、2016年度にはそれ以上。さらに5Gへと進化していく。ドコモが目指すネットワークは、(1)技術革新を先導する最新のネットワーク、(2)ドコモの技術力、開発力に裏打ちさせたシンプルなネットワーク、(3)従来技術から最新技術までを用いた、効率のよいネットワーク」とアピールした。
なお、LTE-Advancedに関しては、現在のLTEで行っている「人口カバー率」という表記はする予定がないという。これについて「(現在の)フルLTEでも最大150Mbpsが出せる。(LTE-Advancedが)全国隅々まで本当に必要なのか?LTE-Advancedはトラフィックが集中するところで使っていきたい」とし、必要なところへスピーディに導入を進めていくと説明した。
サービスに先駆け、東京(丸の内)のドコモラウンジと名古屋(栄)のスマートフォンラウンジ、大阪(梅田)のグランフロント大阪で「262.5Mbps体験スポット」をオープンする。これは112.5Mbps(800MHz)+150Mbps(1.7GHz)をCAで束ね、262.5Mbpsを実現する。
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