(編集部注:米CNETによるサムスン「Galaxy S6/S6 edge」の第一印象を前編と後編の2回に分けて翻訳して公開します。後編は3月6日に公開しています。また、この第一印象は、3月2日に公開された記事「サムスン、「Galaxy S6」と「Galaxy S6 edge」を発表--メタルボディ採用、曲面画面も」に未翻訳部分を追加し、一部を編集して公開しています)
バルセロナ発--「GALAXY S5」はこれで終わりだろう。姿を消すはずだ。流行のデザインを採用するという後継機種の圧力に屈する形で終わりを迎える。
スリム化された後継機種「Galaxy S6」と、曲面ディスプレイ搭載の「Galaxy S6 edge」では、サムスンの旧フラッグシップスマートフォンで採用されていたプラスチック製のボディと取り外し可能なバッテリという実利本位の要素がついに排除された。この2つの新モデルは、金属製のシャープなラインと、ガラスをふんだんに使用した装いで、スマートフォン市場というパーティに出席する。
2つの新モデルはほとんど同じと言ってもいい。いずれも「Android 5.0 Lollipop」と5.1インチの高解像度ディスプレイを搭載する。ただし、Galaxy S6 edgeは、両側のエッジがカーブしたガラスで覆われており、本体の長い方の辺で側面の一部が滑らかで判読可能なディスプレイになっている点が特徴だ。
サムスンはこの非常に良く似た2つの新製品を、Mobile World Congress(MWC)の記者会見で発表した。MWCはスペインのバルセロナで年1回開催される見本市で、スマートフォンを世界に発表する場として最も重要なイベントとされている。Galaxy S6とGalaxy S6 edgeのグローバルな発売日は4月10日だが、いずれも成功するはずだ。しかも早い段階での成功が見込まれる。
今回の2機種はサムスンが財務面で苦戦するなか開発された。同社はスマートフォンの利益を巡って、大ヒットを記録したAppleの最新「iPhone」シリーズと争っているほか、Lenovo、Xiaomi、Huaweiといった中国メーカーが「十分使える」低価格の競合製品を大量に投入している。
新しいS6シリーズの製品では、高級感のあるメタルデザインの採用や、指紋スキャナの改良といった特徴を打ち出すことで、「iPhone 6」に対して巻き返しを図っている(一方、iPhone 6は2014年、サムスンが早期に導入した大画面搭載モデルに追随した)。サムスンはさらに、現地時間3月1日の記者会見を利用して「Apple Pay」の競合サービスも発表した。S6シリーズ製品での提供開始が予定されているこのサービスの名称は、なんと「Samsung Pay」だ。
アップグレードされた点は他にもあるが、残念なトレードオフが伴う。Galaxy S6とGalaxy S6 edgeでは、バッテリが取り外せなくなり、microSDカードスロットが廃止された。言うまでもないが、GALAXY S5の防水機能もなくなっている。一方、S6 edgeの側面に搭載された曲面ディスプレイは、「GALAXY Note Edge」のエッジディスプレイと比べて非常に小さく、搭載する意味があるのかどうか疑問を感じる。また、サムスン独自の「Exynos」プロセッサ(一方、多くの競合はハイエンドのAndroidスマートフォンにQualcommの「Snapdragon 810」を採用する予定)はテストデータがなく、性能は未知数だ。
とはいえ、Galaxy S6とS6 edgeは、Androidにおける独自のトレンドをいくつか生み出している。両モデルとも、ワイヤレス充電のサポートが組み込まれており、仮想現実アクセサリ「Gear VR」の新バージョンに対応する。どちらもiPhoneにはない機能だ。また、2014年モデルのGALAXY S5は、2013年の「GALAXY S4」とあまり代わり映えがしないとして厳しく批判されたが、サムスンはS6シリーズの新しいデザインによって、この批判に対処した。
S6シリーズの新モデルは、デザインも仕様も主力スマートフォンと呼ぶにふさわしいが、下落を続けるサムスンのスマートフォン販売が好転するのか、あるいはiPhone 6と「iPhone 6 Plus」の圧倒的な売り上げを奪うことができるのかは、まだわからない。
大事な点から見ていこう。サムスンはスマートフォンの旗艦製品を2機種開発した。側面が直線で、予想どおり角張ったデザインとなったGalaxy S6と、左右のエッジが緩やかに湾曲したGalaxy S6 edgeだ。両製品はそれぞれ、「GALAXY Note 4」とGALAXY Note Edgeがモデルになっている。
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