一読しただけでは意味がスッと頭に入ってこない、分かりにくい文章。なぜ分かりにくいのか、どのように修正すれば、分かりやすい文章になるのか、その理由と修正の仕方を丁寧に説明しているのが本書だ。
本書は、「シカゴ・スタイル」という、英語圏の標準的なスタイルガイドの1つに基づき、論理的に考えて、文章を組み立てて書く方法を教えてくれる。分かりにくい文章を修正して、「こっちの方が分かりやすい」と指摘する本は多くあるが、「感覚的には確かに分かりやすくなったが、では、なぜ分かりやすくなったのか」までを説明している本は少ない。本書のように、「どこが、なぜ分かりにくいのか」「なぜこのように変えると、分かりやすくなるのか」順を追って説明してくれると、自分で文章を書いたり推敲したりするのにも役立つ。
どこをどう修正すれば、分かりやすい文章になるのか、すぐに判断できるようになるには「文章を書いては修正する」訓練を、ある程度積まなければ分からないが、手引きがあれば、上達への近道をたどれる。主に論文を対象としてはいるが、文章の基本は普遍的なものであるため、文章を書く機会のある人なら、誰にでも役立つ。
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