「Apple Watch」「Apple Pay」中国市場--アップルCEOが語った現状と展望

Shara Tibken (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2015年02月16日 07時30分

 Appleの幹部たちが会議中に一斉に飛び上がっても、驚いてはいけない。同社の幹部陣は全員が「Apple Watch」を身に付けており、長時間座り続けているとApple Watchから注意されるからだ。同社最高経営責任者(CEO)のTim Cook氏はこのように話す。

 Cook氏は米国時間2月10日、Goldman Sachsのテクノロジカンファレンスで講演し、Apple Watch(4月に発売予定)には、ユーザーが1時間以上身体を動かさなかったときに通知するリマインダー機能が搭載されると述べた。Apple Watchは毎時50分にユーザーの手首を「タップ」するが、Appleでは多くの従業員が同スマートウォッチを着用しているので、大勢の人が会議中に立ち上がることになるという。

 「慣れるのに少し時間がかかったが、実際はとてもよいものだ。多くの医師が、座り続けることは新しい癌だと考えている」(Cook氏)

 Cook氏がサンフランシスコでこのように発言した10日、Appleは終値ベースの時価総額が7000億ドルを越えた初の米国企業となった。Apple株の終値は1.9%増の122.02ドルだった。Cook氏によると、同社は株主への現金還元計画について、新しい情報を4月に発表する予定だという。

 Appleの株価はここ数カ月間、上昇基調にある。その要因の1つが、Appleの最新スマートフォンである4.7インチの「iPhone 6」と5.5インチの「iPhone 6 Plus」の需要がアナリスト予測を大幅に上回り、2015会計年度第1四半期に同社の38年の歴史の中で最高の四半期売上高を記録したと1月に報じられたことだ。同社は第1四半期のiPhone販売台数が過去最高の7450万台だったとしており、アナリスト予測の6650万台を大きく上回った。

 このときCook氏は、Apple Watchの出荷が4月に開始されることも明らかにした。同社は2014年9月に発表したApple Watchの発売時期について、それまでは「2015年の早い時期」とだけ述べていた。Apple Watchの最もローエンドのモデルは349ドルだ。

Appleの望みは、Apple Watchをユーザーが常時身につけていたいデバイスにすることだ。
Appleの望みは、Apple Watchをユーザーが常時身につけていたいデバイスにすることだ。
提供:James Martin/CNET

 Appleは2010年、同社が「魔法のような」と表現する「iPad」を発表したが、Apple Watchは同社にとってそれ以来となる主要な新製品カテゴリである。AppleがCook氏の指揮下で初めて売り込む新製品でもある。Cook氏は1年以上にわたって、2014年に「驚くべき」新製品を発表し、大きな成功を収めたスマートフォン、タブレット、コンピュータに続く「刺激的な新製品カテゴリ」に進出すると約束していた。Apple Watchは、新しいモバイル決済サービス「Apple Pay」とともに、その約束を果たすものだ。

 Apple Watchユーザーは健康関連の機能だけでなく、Appleのデジタル音声アシスタント「Siri」も利用できる。また、Apple Payでのアイテム購入に使用することも可能だ。アプリ開発者はほかにも多種多様な用途を作り出そうとしている。Cook氏は2月10日、それが実現すれば「もうApple Watchなしでは生きていけない」と思ってしまうだろう、と述べた。

 同氏はまた、市販のスマートウォッチが消費者の本当に求めているものを実現できていないことを批判した。「スマートウォッチと呼ばれるものがいくつか売られているが、製品名を挙げられる人はいるだろうか」(Cook氏)

 しかしCook氏は、Apple WatchはiPhoneとiPadが過去に成し遂げたこと、つまり、「人々の日々の生活を変える」ことを実現できると考えている。

 「Apple Watchを使ったときの最も大きな驚きの1つは、機能の幅広さになるはずだ」(Cook氏)

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