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「光コラボ」で戦局は動くのか--携帯キャリア3社の決算を読み解く - (page 2)

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好調を維持し「auスマートバリュー」に自信を示すKDDI

 不調と模索が続くドコモとは対照的に、好調を継続しているのがKDDIだ。1月30日に発表された同社の1~3四半期累計の営業収益は、前年同期比プラス5.4%の3兆3519億円、営業利益が前年同期比プラス9.7%の5850億円。利益こそドコモをやや下回ったが、売上ではドコモを超える結果となった。現在の好調が続くようであれば、売上・利益共にドコモを抜き、さらに差をつける可能性もある。

 好調を支えているのは、従来に引き続きモバイルの通信料収入増加、そしてauの販売手数料の削減が大きい。スマートフォンへの移行が順調に進んでいるのに加え、一部で復活の兆しがあるとはいえ、キャッシュバック競争が落ち着いてきたことが、業績向上の主因になっているといえよう。

 とはいえ、KDDIも新料金プランの影響をまったく受けていないわけではない。それを示しているのがauの通信ARPUで、前期に比べ音声ARPUが30円落ちているが、データARPUは10円の伸びにとどまっている。KDDIは通期でのARPU反転を目指しているが、ドコモ同様新料金プランで低容量のパケット定額サービスを契約する割合が多いことが、その足を引っ張っているといえる。新料金プランを収益拡大に結び付けるには、各社ともまだ工夫が求められそうだ。


KDDIも新料金プランの影響でARPUが伸び悩み傾向にあるようだ

 通信以外の付加価値でARPUを高める取り組みも、順調に進展している。「auスマートパス」の会員数は2014年12月時点で1205万に達しているほか、「au WALLET」の会員数も1月12日時点で900万を突破し、1000万会員が見えてきたという。

 さらにKDDIは、今後国内のモバイル事業の競争力を高める上で、ネットワーク、端末、料金、そしてサービスと、スマートフォンに関連するすべての事業領域を強化する取り組みを実施していくとしている。特に端末面では、スマートフォンの浸透率が低いシニアと小学生をターゲットとした機種を投入するなど、セグメントに応じたハードやサービスを用意することで、スマートフォン利用者の拡大に結び付けていく方針を打ち出しており、この点は従来と比べ大きく方針を変えてきたポイントといえるだろう。

 ドコモ光の開始によって注目が高まっている、固定・モバイルのセット割に関しても言及している。以前より「auスマートバリュー」でセット割に力を入れるKDDIは、auのスマートフォン利用者に対するauスマートバリューの浸透率が49%、「auひかり」の契約者に限れば59%に達するなど、サービスがすでに広く受け入れられていることをアピールし、追随する他社をけん制している。

 固定通信事業も手掛けるKDDIはセット割の先駆的存在でもあるだけに、auスマートバリューへの思い入れは強い。同社代表取締役社長の田中孝司氏は、他社のサービス内容と見比べた上で、改めて「auスマートバリューは思いをもって開始したサービス。そうやすやすと追いつかれないんじゃないかなと思っている」と、サービス内容に自信を見せている。


auスマートフォン契約者の「auスマートバリュー」契約率が5割近くに達していることが、セット割競争への自信にもつながっているようだ

 一方で、従来“脱法的行為”と強く批判してきたNTT東西の光コラボレーションモデルに関して、今回の決算発表では強い批判をする様子が見られなかった。この点について田中氏は、光コラボレーションモデルのガイドラインに関して、総務省へパブリックコメントで意見を出している最中と話しているほか、ガイドラインが明確に定まっていない中でサービスが発表されたことに対し「混乱が発生するのではないか」と、批判する構えは崩していない。

 だが、光コラボレーションモデルの提供が既定路線となり、ドコモだけでなくソフトバンクなど多くの企業が相次いでこれを利用したサービス提供に至っていることから、KDDIとしても現実的な取り組みを求めるようになったといえそうだ。

 今期の決算を振り返って田中氏は「auモメンタムは継続している」と評価し、通期での2期連続・2桁成長の達成に自信を見せている。だが光コラボレーションモデルの開始、MVNOの増加によるドコモ回線への流入増、そしてソフトバンク系列4社の合併など、市場競争は確実に変化している。auならではの優位性が持続しているうちに、次の一手が求められるだろう。


MVNOで回線数を伸ばすNTTドコモと比べると少ない。MVNOの拡大に向けた施策が一層求められるところだ

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