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ドコモはもう一度変わらなければならない--「ドコモ・イノベーションビレッジ」刷新の狙い

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 NTTドコモとNTTドコモ・ベンチャーズは、革新的な技術やサービスを持つベンチャー企業とパートナーシップを築きイノベーションの創出を目指すプログラム「ドコモ・イノベーションビレッジ」を刷新し、今春よりプログラムを開始する。刷新のポイントは、今回第4期の募集となる、アーリーステージのスタートアップ企業に対するメンタリングやドコモのアセットを活用した営業・開発支援といったサポートをする「Villageシード・アクセラレーション」に加え、「Villageアライアンス」という新しいコースを新設した点だ。

 ドコモが定めたテーマに基づいてベンチャー企業の参画を募集するVillageアライアンスは、ドコモが持つテクノロジーやノウハウといったアセットとミドルステージ以降のベンチャー企業が持つ創造力・独創性、サービス開発の瞬発力といった力を掛け合わせ、新しいドコモのサービスを共同開発していくことを目的としたもの。ドコモが持つアセットを積極的に開放してベンチャー企業をビジネスパートナーとして迎え入れ、イノベーションの創出を加速させたいという狙いがある。

 Villageアライアンスの協業テーマは、「女性の独立・起業を支援するサービス」「おサイフケータイ機能搭載のウェアラブルデバイスおよびデバイス連携アプリケーションの開発・製造」「趣味に関わる『楽しみ・喜び』をテーマとしたIoTデバイス・サービスの開発」「オンラインストレージをより活用してもらうための連携サービス」など8つ公開されており、応募企業は自身が携わりたいテーマを選んで応募することができる。応募期限は、Villageシード・アクセラレーションが2月10日15時、Villageアライアンスが2月20日15時だ。


NTTドコモ取締役常務執行役員スマートライフビジネス本部長の中山俊樹氏

 今回このような刷新をした背景や各プログラムの狙いを、NTTドコモ取締役常務執行役員スマートライフビジネス本部長の中山俊樹氏に聞いた。

ドコモは、もう一度変わらなければならない時期に来ている

――まず、ドコモ・イノベーションビレッジを刷新する狙いを教えてください。

 ドコモ・イノベーションビレッジは、これまではVillageシード・アクセラレーションを中心に展開してきましたが、今回からVillageアライアンスを併せてスタートさせることになりました。その背景にはドコモ・イノベーションビレッジが本来持つ目的があります。つまり、ドコモ・イノベーションビレッジは、「半分はベンチャー企業のため」のものであり、「半分はドコモのため」のものだと考えているのです。

 「半分はベンチャー企業のため」というのは、つまりベンチャーを応援していくことが、長期的にはドコモの事業にも良い影響があったり、社会に良い影響を与えたり、日本全体の活性化にも繋がったりするのではないかと考えているということ。そのためには、ベンチャー企業に成長モデルを作っていくことが重要です。彼らが自立的に成長モデルを作ることもあれば、ドコモのビジネスモデルを出口として、成長モデルを作っていくこともあるでしょう。ドコモの持つ“装置(=事業開発のスキーム)”を活用して育っていくというのは、わかりやすいモデルだと思います。

 そして、「半分はドコモのため」というのは、その背景にドコモが抱える課題があります。ドコモには、組織が大きくなりすぎていたり、iモードのような大きな成功体験に足を引っ張られていたりする部分があります。客観的にみて、社内で新しいビジネスモデルを生む力が、かつてのドコモに比べて弱くなっている面が否めないのではないかと思うのです。ドコモは、もう一度変わらなければならない時期に来ている。具体的には、スマートライフビジネス本部に籍を置く20~30代の若い社員たちが、新しいものに挑戦していく、新しい価値の創出にぶつかっていくというマインドに“コケ”がついていないかを確認する機会を生み出さなければなりません。「大企業の中で課長や部長の顔色を伺いながら仕事をしていないか?」と。


 スポーツなどの分野では多くの日本の若者が世界で戦っているわけで、ビジネスの世界でも日本の若い力がグローバルで戦えないわけはない。日本から第2のグーグル、第2のアップルが登場してもおかしくない。そういう状況で、ベンチャー企業やスタートアップを立ち上げて、裸一貫で風を全面に受けながら世界で戦っていこうという同世代の若者たちを目の当たりにすることで、ドコモの若い社員たちに良い刺激を与えたいのです。このプログラムに「Village」という名前を付けたのも、ここを色々な人たちが立場に関係なく集い共生する場所にすることで、ドコモの開発者やサービス従事者にも良い化学反応を生み出せればという狙いで名付けたのです。

――Villageアライアンスはドコモ・イノベーションビレッジの立ち上げ当初から計画していたのでしょうか。

 もともと、Villageアライアンスも立ち上げ当初から同時にやろうという意見もあったのですが、まずは限られたリソースで知見を蓄積するために、ベンチャー企業を応援することに目的を絞ってアクセラレーションのプログラムからスタートしました。ただ、ベンチャーにとってドコモの“装置”を活用して成長するというビジネスモデルも並行して準備を進めてきました。

 Villageシード・アクセラレーションは3期にわたり展開してそのプロセスがわかってきて、多くのベンチャー企業が自立して成長しておりファイナンシャルとしては一定の成功を収めているのですが、結果的には当初想定していた“ドコモの成長”にはあまり結びついていないという課題もありました。そこで、ベンチャーを支援するVillageシード・アクセラレーションと並行して、明確にドコモの開発ニーズを掲げてベンチャー企業と協業し、ドコモの“装置”や“仕掛け”をフルに活用して一緒に新しいサービスを“共創”していこうというコースとして、Villageアライアンスをスタートさせることにしました。

ドコモの事業開発プロセスとベンチャー企業の独創性から新サービスを生み出す

――Villageシード・アクセラレーションは自立してビジネスを推進するということがひとつのゴールになると思いますが、Villageアライアンスはどのようなアウトプットがゴールになるのでしょうか。

 Villageアライアンスでは、ドコモの各サービス開発セクションが「こういう内容で新しいサービスを作りたい」という具体的なテーマを掲げて募集していますので、一番わかりやすいアウトプットは、ドコモの新サービスとしてリリースするということになります。また、場合によってはドコモとベンチャー企業の共同サービスとしてリリースしたり、ドコモとベンチャー企業のジョイントベンチャーを立ち上げたり、ベンチャー企業で独自にリリースしたりなど、アウトプットはさまざまなのではないかと思います。

 開発テーマについては、音声通話やデータ通信などから生まれるインフラ系サービス、コミュニケーションツールやコンテンツサービス、生活系サービスといったモバイルテクノロジーによるさまざまなサービスの中でも、スマートライフバリューからくるテーマが多いのではないかと思います。また、IoTなど時代を反映したテーマも掲げています。

――ドコモ・イノベーションビレッジでは、「ベンチャー企業の優れたアイデアを素早くサービス化して世の中に問う」という発想が、安全・安心を最優先に慎重なサービス開発を行うドコモのプロセスとは大きく異なるのではと思います。Villageアライアンスでは、両者のスピード感をどのように融合させていくのでしょうか。

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