限定ポータルをハックできる「イングレス」の展示も--メディア芸術祭が開幕

井指啓吾 (編集部)2015年02月04日 08時30分

 “エージェント”は訪れるべき。第18回文化庁メディア芸術祭でエンターテインメント部門の大賞を受賞したゲーム「Ingress(イングレス)」が、2月4日から2月15日までの会期中、“パワーキューブ”のオブジェを使った、音と映像によるインスタレーション作品を展示する。場所は国立新美術館(東京・六本木)で、入場は無料。


“パワーキューブ”のオブジェ

 Ingressは、米Googleの社内ベンチャーであるNiantic Labsが開発、運営するスマートフォン向けのゲーム。内容を一言でいえば「地球規模の陣取り合戦」。アプリが位置情報を取得してプレイヤーがいる場所を特定し、現実世界とゲーム内の仮想世界をリンクさせる。ユーザーはエージェントとなって現実世界を動き回り、“ポータル”と呼ばれる場所を巡って陣地を拡大させていく。

◇米CNET記者による体験記(2012年時点)
グーグルの代替現実ゲーム「Ingress」とは--「ポータル」を求めてプレイしてみた


 今回の展示は、Ingressのストーリーの始まりを再現したもの。Ingressの世界で実際に登録されているポータル3カ所が壁3面に投影されており、その中心にパワーキューブのオブジェが置かれている。ポータルの状態はゲームと連動してリアルタイムに変化し、攻撃や回復の効果音も流れる。

 ポータルの1つは、会場にあるパワーキューブのオブジェだ。計3カ所のポータルを一方の陣営がすべて支配すると、その陣営に向けたメッセージが壁に映し出される。ほかにもさまざまな演出があり、条件を満たすことで見られるという。

  • パワーキューブ。実際には色が揺らめいて見える

  • パワーキューブのポータルは会期中限定とのこと。もちろんハックしたり攻撃したり、オーナーになったりできる。攻防は非常に激しい

  • イベント時の写真の展示も

 展示を制作したのは、音楽ユニット「Perfume」の演出などを手掛けるアーティストの真鍋大度氏。真鍋氏もIngressのプレイヤーの一人で、2014年12月に東京で開催された同ゲーム公式イベントのアフターパーティーではDJ兼VJとして参加している。なお同氏は同展アート部門で優秀賞を受賞している。

  • Google Niantic Labsの川島優志氏(左)、Dennis Hwang氏

 展示物を披露するのは世界で初めてとなるIngress。Niantic Labsの川島優志氏は、「開発中であるポータル情報にアクセスする仕組み(API)を、前回のイベント時に、一般の方では世界で初めて真鍋さんに使ってもらった。今回の展示はそれを応用したもの。真鍋さんがいたから実現できた」と語った。

 川島氏によれば、同展示は今後、世界各国で披露する予定という。その際には、今回来場者が残したメッセージも一緒に世界を巡ることになるそうだ。

 次ページでは展示物の設定をファン向けに載せる。

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