サイバーエージェントは1月29日、2015年9月期第1四半期の決算を発表した。連結業績の売上高は634億5100万円(前年同期比45.1%増)、営業利益は125億3500万円(同194%増)、経常利益は126億9400万円(同163.2%増)、四半期純利益は63億6100万円(同207.8%増)と増収増益で、過去最高の売上高と営業利益となった。
利益が約3倍増と急拡大したなかには、2014年10月にDaum Communicationsの株式売却で得た利益42億円を含む、投資育成事業の営業利益48億円が挙げられる。しかしながら、決算説明会で登壇したサイバーエージェント代表取締役社長の藤田晋氏は、投資育成事業を除いた営業利益76億円は過去最高のものであり、その他の事業を含めて順調な期であったことを説明した。
主力となっているインターネット広告事業は売上高331億円で、前年同四半期比35.7%増。特にスマートフォン向け広告売上高が前年同四半期比87.3%増とけん引した。ゲーム事業も売上高143億円で前年同四半期比26%増となり、国内のネイティブゲームの売り上げが好調だという。Ameba事業も売上高95億円で、営業利益が20.9億円と、構造改革により収益性が向上したという。
通期の業績見通しの進捗(しんちょく)からしても、売上高を除く営業利益、経常利益、当期純利益はすでに45%を達成し、第2四半期も順調で超過ペースとしながらも、下半期はトークライブアプリ「755」や新たな事業に投資をする可能性があるとし、見通しの修正は行わず据え置いたとしている。
メディアその他事業として現在力を入れているのが、2014年2月から配信を開始した755。芸能人や著名人のトークライブをのぞき見しコメントもできるトークライブアプリとうたっている。この年末年始には8億円の宣伝費をかけてテレビCMを中心に大規模プロモーションを展開。それまでダウンロード数が80万だったところから、350万まで急進したという。藤田氏はサービスのポテンシャルに手応えを感じていることや、この勢いを切らさないように3月にもコストをかけて新たなテレビCM展開を行うと説明した。
755のマネタイズについて、現状では全く考えておらず、一定規模に広がるまではやらない方針を示した。あせって広告だらけになるようなことはしないとしながらも、広告が入れられるスペースが存在することや、現状でも豊富なタイムラインビューもあることから、広告表示によってマネタイズはできるとの見解もあわせて示した。
2014年12月にエイベックス・デジタルとの共同出資によって立ち上げたAWAによる、サブスクリプション型(定額制)音楽ストリーミングサービスについても言及。3月末にリリースの予定しているという。藤田氏は「スマホで音楽を聴くという層は確実に存在し、音楽はスマホのキラーコンテンツといっていい。まずはいいものを作り、いいサービスを提供するのが大事。楽曲がそろっていることやサーバのレスポンスが早い、ユーザーごとのカスタマイズができるなどのポイントを押さえていけば(サービスとして)いける。今作っているもののなかでは、AWAのクオリティは圧倒的に高いと自負している。プロモーションは755のように得意なので、人を集めて伸ばしていけると思う」と語った。
このほか動画系のサービスについても、マイナーなものから放送に近いものまで“総張り”といってほどに、可能性がある多くのサービスを準備しているという。そしてこれらを春から秋にかけて順次リリースする考えを示し、これらも含めて新しい柱に育てていきたいとしている。
ちなみに4月頭に会社のロゴ、Amebaのロゴを刷新することに触れ、藤田氏は「古いイメージを引きずらず、全く新しいサービスとしてブランドを構築していく」とコメントした。
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