サイバーエージェントが10月より、新たな部署を設置して積極的なベンチャー投資を展開することが明らかになった。
10月1日より、サイバーエージェント本社内に「投資事業本部」を設置。現在米国法人であるCyberAgent AmericaのPresident and CEOである宮崎聡氏が本部長に、現社長室長の小野哲太郎氏が投資事業本部 兼 社長室長にそれぞれ就任。サイバーエージェント代表取締役社長の藤田晋氏とともにベンチャー投資を本格化する。また、サイバーエージェント子会社で、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)事業を手掛けるサイバーエージェント・ベンチャーズ(CAV)とも連携して事業を進める。
今回の投資事業について藤田氏は、「コンセプトとしては『藤田ファンド』。経営者として投資をしていく。投資は誰がやっているかということも大事だ。自分で事業を作ってきた起業家なので、起業家の苦労も分かるし、上場までの罠に対してもアドバイスしていける」と語る。
サイバーエージェントは、2004年より子会社(当時のシーエー・キャピタル。同社は現在のサイバーエージェントFX。CAVは2006年にサイバーエージェント・インベストメントとして設立された)を通じてベンチャー投資を開始。ミクシィやドリコムをはじめとして26社で477億円のキャピタルゲインを上げてきたという。直近ではCAVだけでなく、サイバーエージェント本体からも投資を実施。スマートエデュケーションやレアジョブなどに資金を提供している。
新部署で投資の対象とするのは、ミドル、レイターステージの企業。金額もケースバイケースとなるという。現時点でファンドは組成しないが、最大100億円程度の予算を確保し、月1件程度の出資を進めていく。シード、アーリーステージといった比較的早いステージの企業が中心となるCAVの出資先に対して次の資金調達の機会にサイバーエージェント本体から投資するということもあり得るという。
また単純な投資にこだわらず、例えばゲームであれば開発費を一部負担し、売上をシェアするといった施策も準備するという。
投資の際には、「経営者の魅力」を重視すると藤田氏は説明する。これに加えてサイバーエージェント社内で組織する投資委員会でデューデリジェンス(投資先の調査)を実施し、人間性と企業の健全性の両面から投資を検討していく。
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