絶好調「iPhone」販売はもろ刃の剣か--アップルQ1決算が浮き彫りにした課題

Shara Tibken (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2015年02月02日 07時30分

 「iPhone」は今もAppleの最大の稼ぎ頭だ。それは喜ばしいことでもあり、問題でもある。

 iPhoneは2015会計年度第1四半期(米国時間2014年12月27日締め)、Appleにとって記録的な売上高と利益をもたらした。しかし、絶好調だったiPhone販売は、Appleが1つの製品ラインに依存していることを再び浮き彫りにし、同社の今後のリスク要因となっている。

 Appleの前最高経営責任者(CEO)のSteve Jobs氏は、強力な製品を3つ持つという同社の戦略について長く語っていた。同氏が「3本脚の椅子」と呼んでいた戦略だ。当時それは、「Macintosh」コンピュータ、「iPod」音楽プレーヤー、iPhoneだった。3本の脚はその後、iPhone、「iPad」、Macへと変わった。しかし最近は、その椅子は1本の脚、つまりiPhoneだけで支えられている。2014年のホリデー四半期のようにiPhoneの売れ行きが好調な間は心配ないが、ひとたびiPhoneが失速すれば、Appleの利益は激減してしまうかもしれない。

 Appleの株主でConcert Wealth ManagementのポートフォリオマネージャーでもあるMichael Obuchowski氏は、「すごいとしか言いようがない。実に素晴らしい四半期だった」と述べた。しかし、「もちろん懸念もしている。同社の将来は完全にiPhone次第という状況に逆戻りしてしまった」(Obuchowski氏)

 iPhone 6とiPhone 6 Plusの発売は、Appleにとって記録的な売上高と利益を同社にもたらす要因となった。
iPhone 6とiPhone 6 Plusの発売は、Appleにとって記録的な売上高と利益を同社にもたらす要因となった。
提供:CNET

 Appleの2015会計年度第1四半期は絶好調だった。利益、売上高、1株あたり利益のすべてがウォール街の予測を上回り、Macと「App Store」の四半期売上高は過去最高を記録した。しかし、その結果に群を抜いて貢献したのはiPhoneだった。

 Appleの746億ドルの売上高のうち、iPhoneは約69%を占めた。この割合は通常50%前後であり、今回はそれを大きく上回っている。例えば、前年同期と2014会計年度第4四半期(9月末締め)の売上高にiPhoneが占める割合は56%だった。

 iPhone売上高の急増は、同社の最新製品である4.7インチの「iPhone 6」と、5.5インチの「iPhone 6 Plus」によるものだ。消費者は、2013年に発売された4インチの「iPhone 5s」より大型のスクリーンを備えるこれらのデバイスに飛びつき、記録的な販売台数となった。iPhoneの出荷台数は、記録を更新した前年同期からさらに46%増加し、7450万台に達した。それと同時に、売上高は57%増の512億ドルとなっている。

 AppleのCEOであるTim Cook氏は2015年1月27日、アナリストとの電話会議で次のように述べた。「想像を絶する台数だ。平均すると、同四半期は1時間当たり3万4000台以上のiPhoneが販売され、それが1日24時間、毎日続いたことになる」

 Appleの椅子のほかの脚は、iPhoneの売上高には遠く及ばない。Mac事業はここ数四半期好調で、過去最高の市場シェアと売上高を達成するまでになっている。しかし、直近の四半期、Macが売上高全体に占めた割合はわずか9.3%で、前年同期の11%から低下した。iPadの貢献度も4四半期連続で低下しており、売上高に占める割合は前年同期の20%から12%に縮小した。

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