新生ソフトバンクモバイルが誕生した3つの理由--4社合併で攻勢へ

 ソフトバンクは1月23日、傘下のソフトバンクモバイル、ソフトバンクテレコム、ソフトバンクBB、そしてワイモバイルの4社を合併することを発表した。ソフトバンクモバイルが存続会社となる。移動体通信だけでなく固定通信の2社をも合併させたのには、どのような理由があるのだろうか。

ワイモバイルを別会社にする理由が薄れていた

 競合他社が新戦略を打ち出して攻めの姿勢を続ける中、国内通信事業ではここ最近、大きな動きをあまり見せていなかったソフトバンクグループ。だが2015年の年明け早々に4社を合併するという、大きな動きを見せた。

 なぜ、この時期にソフトバンクは国内通信事業の合併という選択に至ったのだろうか。同社を取り巻く状況を考慮すると、それには大きく分けて3つの要因があると考えられる。

 1つは携帯電話事業に関するものだ。ソフトバンクはグループに、ソフトバンクモバイル、ワイモバイル、そしてAXGP事業を手掛けるWireless City Planningと、移動体通信事業を手掛ける3つの会社を持つ。3社が別会社である理由は、同社が企業買収を重ねた結果であり、中でもWireless City Plannningは、使用する2.5GHz帯の割り当て条件上、既存キャリアと一体となることができないことから、あえて出資比率を抑え別会社にしているという事情がある。

 ただワイモバイル、さらに言うとその母体の1つとなっている2013年に買収したイー・アクセスに関しては、戦略的にあえて別会社にしている節もあった。一度買収したイー・アクセスを、一時はヤフー傘下にしてまで独立性を高めようとしたのには、“公共資産の電波をお金で買う”ことへの批判があったのに加え、今後割り当てられる予定の周波数帯を獲得する上で、同じグループであっても別々の事業者にしておいた方が有利に働くと考えたことが大きいと見られている。実際、2014年に主要3キャリアへの割り当てが進められた3.5GHz帯に関しても、当初はソフトバンクモバイルだけでなく、イー・アクセスも名乗りを上げている。


ワイモバイルは当初、ヤフーが子会社化して展開すると発表するなど、独立性を高める方針を示していた

 だが2014年7月、総務省は周波数帯の割り当てに関して、資本関係などを考慮し、グループ企業として判断するよう方針を変更。この判断によって、ソフトバンクモバイルとワイモバイルを別々の企業とする意味がなくなったことから、両社を合併させるに至ったと見ることができる。

 両社を合併させることで有利な点も生まれてくる。それは複数の周波数帯の電波を束ねることで、高速化を実現する「キャリアアグリゲーション」(CA)だ。auやNTTドコモなどが導入を進めているCAだが、現在は別会社間でのCAが認められていない。そのため、2.1GHz帯以外でのLTEネットワーク整備が満足に進んでいないソフトバンクモバイルは、整備が遅れている900MHz帯と、一部地域でのCAを実施するにとどまるなど、高速化の面では不利な状況にあった。

 だがワイモバイルと合併すれば、ソフトバンクモバイルがワイモバイルの1.7GHz帯を持つこととなり、2.1GHz帯と1.7GHz帯とのCA実現で一気に高速化が進められる。さらに今後を見据えれば、ワイモバイルがすでに免許を獲得しており、2015年のサービス提供が予定されている700MHz帯も有効活用しやすくなるなど、競争力向上のため有利と判断したことも、合併に至った大きな要因といえそうだ。


ソフトバンクモバイルの2.1GHz帯と旧イー・モバイルの1.7GHz帯は、従来単体で活用されていたが、両社の合併によってキャリアアグリゲーションでの活用が期待される

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