不動産情報サイト「HOME'S」を運営するネクストは1月20日、“住まい探しをもっとワクワクさせる”ことをテーマとしたITプロダクトを報道陣向けに披露した。すでに提供されているものからコンセプトモデルまで、幅広い製品や技術が展示された。
ネクストでは、新たな住まい探しの形を探求するため、社内の技術研究・開発部門「リッテルラボラトリーユニット」や、業務時間の一部を使って研究・開発ができる社内制度「クリエーターの日」を通じて、最新のIT技術を導入したガジェットやアプリの開発などに取り組んでいるという。ここでは、その成果として披露された8つのプロダクトを紹介する。
「Tangible UI Property Search(タンジブルUI 不動産検索)」は、PCやスマートフォンの操作が苦手な人でも直感的な住まい探しが可能なプロダクトだ。10万円、5万円などの“家賃”と、バス・トイレ別、礼金ゼロなどの“条件”のカードを台の上に置くだけで、大型のタッチディスプレイに表示された地図上に合致する物件を表示してくれる。不動産屋の店頭などで、家族がカードを置き換えながら探すといった使い方を想定している。気になった物件をタップすると、連携するタブレットで詳細を確認できる。
高齢者見守りサービス「ワラッテル」は、身につけている人の「笑い」や「会話状態」「咳」などを検知して、離れた相手のスマートフォンに通知する。離れて暮らす親に身につけてもらうことで、親が生活の中で笑っているか、誰かと会話しているか、咳をしているかといったことが分かるようになる。また、加速度センサを使って、倒れて動けなくなっていないかなども検知できるようにしたいという。
レゴブロックを組み合わせた3D室内シミュレーションシステム「GRID VRICK」。ブロックを使って間取りを作ったり、家具を配置したりできるサービスで、ブロックを組み替えることで、リアルタイムにPC上の間取りや家具の位置が更新される。また、ヘッドマウントディスプレイ「Oculus Rift」を着用して部屋を歩く体験ができるほか、夕方や昼間などシーンや、目線の高さの変更ができる。
内線電話を使わずに来客の受付けができるアプリ「receptice」。会社の受付けに備え付けられたタブレットで来客先を選ぶと、その社員が所有するスマートフォンにプッシュ通知が飛ぶというもの。通知を受け取った社員が「今向かいます」「人違いです」などの項目を選んで返事をすると、その返信が受付けのタブレットに表示される。同社では、一部で自由に席を移動できるフリーアドレス制を採用していることから、今回のアプリが生まれたのだという。
“住まい探しは宝探しだ!”をコンセプトに、カヤックと共同開発した物件検索用の天秤型タンジブルデバイス「すごい天秤」。希望する駅名を入力し、左の皿に家賃の分銅、右に条件の分銅を載せ、天秤が釣り合えば、希望する物件がディスプレイに表示される。気に入った物件があれば印刷して、HOME'Sで問い合わせてもらえる。先ほど紹介したタンジブルUIの技術を活用しており、分銅にはRFIDタグを仕込んでいるという。
Android Wear搭載のスマートウォッチを使った「物件見学機能」。すでに「HOME'S」の公式アプリに実装されている。見学している物件タイプに応じて、その場で「採光は十分ある?」といった項目にチェックを入れられるほか、連携するスマートフォンを床に置くことで部屋の傾きを調べたりできる。登録したすべての情報はスマートフォンアプリ内の「見学した物件」から確認できる。
スマートフォンを使って部屋の鍵をロック・解除できる「スマート内覧」。フォトシンスが開発したスマートロックロボット「Akerun」を活用している。仲介会社がアプリから内覧したい物件を選ぶと管理会社に通知され、管理会社が承認するだけで、仲介会社の持つスマートフォンがその物件の鍵になる。これにより、仲介会社は内覧のたびに管理会社に鍵を取りにいく必要がなくなるほか、管理会社も鍵の管理が楽になり、どの物件がどれだけ案内されているかが把握できるようになる。
iPhoneの音声アシスタント「Siri」を使って自宅などの家電を遠隔操作できる「SiriとIRKitでちょっと未来のスマートハウスへ」。iOS端末で赤外線に対応した家電を操作できる「IRKit」を活用したプロダクトだ。通常、Siriでアプリの操作はできないがアプリ名を呼べば起動させることはできる。そこでIRKitと連携した「帰ったよ」という名前のアプリを開発。Siriに向かって「帰ったよ」と話しかけるとアプリが起動し、家電が動作するようにした。この仕組みを開発したネクスト新卒社員の石田陽太氏は、自宅の照明やテレビ、Blu-rayレコーダーが起動し、「ももいろクローバーZ」のライブ映像が自動再生されるデモを披露していた。
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