UPDATE Googleは米国時間1月15日、メガネ型ウェアラブルを開発する「Google Glass」プロジェクトを見直し、Tony Fadell氏の監督下に置くことを認めた。Fadell氏は、スマートデバイス企業Nestの共同創設者で、かつてはAppleのハードウェア責任者を務めていた人物。
この動きは、GlassプロジェクトがGoogle Xの枠組みから切り離されることを意味する。検索大手Googleで実験的研究を行うGoogle X部門は、自動走行車やセンサーを搭載するスマートコンタクトレンズといったイニシアチブも生み出している。Glassプロジェクトはこれまでどおり、ファッション業界の出身で現在の責任者であるIvy Ross氏が運営する。Ross氏はFadell氏の直属となる予定。
Fadell氏は、Ross氏とそのチームに対し、「助言とサポート」を与える計画だと声明で述べた。彼らが学んだことは、他のGoogleプロジェクトにも広げられるとFadell氏は付け加えた。「初期のGlassに関する取り組みは、新たな境地を切り開くとともに、消費者と法人顧客にとって何が重要かをわれわれが学ぶことを可能にした」(Fadell氏)
Glassは2012年、サンフランシスコの巨大なイベント会場で発表された。スカイダイバーが同デバイスを着用し、会場の屋根に降り立つ様子を撮影した。この大がかりな発表によって同デバイスは、冗談や困惑の対象になり、誰がこのようなデバイスを購入するのかという疑問も起こった。
プライバシー擁護派が搭載されたカメラについて批判する一方で、Glassを着用することについて非常に熱心な人たちを呼ぶ「Glasshole」(「glass」と「嫌なやつ」を意味する「asshole」の合成語)という言葉も出現した。
Fadell氏は、開発する製品が流行への敏感さやクールさ、さらに、おしゃれなライフスタイルを連想させるため、このような状況を一変させるかもしれないとアナリストは述べる。
Fadell氏は、引き続きNestの運営にもあたる予定だ。
また、Googleは、人々にGlass技術に慣れ親しんでもらうことを目的とした「Explorer」プログラムを段階的に縮小し、米国時間1月19日にGlassの初期バージョンの販売を終了する。Glassの新バージョンは、2015年中にリリースされる予定。
同社は2014年2月、Nestを32億ドルで買収した。GoogleがFadell氏をGlassプロジェクトの監督者に任命したのは、そのハードウェア専門家としての手腕を見込んでのことだ。Fadell氏は、Appleの「iPod」の生みの親として知られている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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