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ウェアラブル端末を作る上で重要なこと--ソニーの戦略 - (page 2)

井指啓吾 (編集部)2015年01月16日 09時00分
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社会動向からUIを考える

 ソニーでは毎年、デザイナーやクリエイターが集まり、ユーザーの生み出す社会動向やトレンドを見出して、新しいUIをどのように作り出していくかの議論などをする活動をしている。フォーカスエリアを決めてクリエーションに役立てるのが狙いだ。田嶋氏は、現在は次の4つの社会動向が重要だと説明する。

  • New Generation(新しい世代)
      「生まれたときからデジタル機器に囲まれて育つ若い世代が、これから主流となってトレンドを作っていく。米国では12歳以下の子どもの7割以上がタブレットをすでに使っているというデータがある。また、もう一つの例として、60歳以上の世界人口がどんどん増え、2050年には人口の約2割を占めるようになると言われている。これらのシニア世代はデジタル機器に対しての抵抗が薄く、スマート機器、デジタル機器を積極的に使っていくという状況が意識される」。
  • Evolting Gender Roles(男女の社会的役割の変化)
    「『外で働く』『家庭を守る』など男女の固定された分担が薄れて柔軟になっている。社会制度もそれをサポートするようになっているため、男女の社会的役割の変化は重要な着目点と考えている」。
  • Urbanizaition(狭い都市に集中する人々)
     「都市部に住む人が増えており、2050年には大半が都市部に住んでいることが予想されている。たくさんの人が特定の地域に集中してコミュニティを作りだし、その都市での生活を魅力的にしていく。そしてその魅力がまた人を惹きつけて、都市がどんどん集積を加えていくという傾向を重視している」。
  • Power Shift(急激な経済成長によるアジア/アフリカ諸国の台頭)
    「世界中をボーダレスに駆け回るマネーが現在、新興国に流入して、経済成長を加速させている。新興国で中産階級が増加し、商品やサービスを消費する主役に育ってきている。ライフスタイルトレンドは先進国を発祥とするのが今までの常識だったが、たとえばセルフィ撮影(自撮り棒)のように、新興国発のトレンドがこれからどんどん出てくるのではないか」。

  •  ソニーではこれらを踏まえ、スマートウェアエクスペリエンスとライフエンターテインメントのクリエーションにおいて、次の3つの領域にフォーカスしているという。

    • Connected World
      「ネットワークとクラウドで世界中の人々がつながっている状況を強く意識する必要がある」。
    • Collaboration
       「人々がつながった状況の中でさまざまな課題を克服するにあたり、何をするにしてもコラボレーションが必要。環境問題やエネルギー問題など、人々はすべてコミュニティへの協力、貢献に対して非常に前向きになっているというトレンドに着目している」。
    • Womenomics
       「人々が協力する社会の中で、男女の役割は柔軟になっている。人間行動を男女ではなく、ヒューマンセントリックで理解することを意識する」。

    ウェアラブル端末を進化させる方向

     技術トレンドについては、ウェアラブル端末のための重要な要素として次の6つのポイントを挙げる。

    • Sensing
       「どれだけ正確に人の活動情報や生体情報、環境情報を取得できるか」。
    • Interface
       「ユーザーからの意図的なインプット/アウトプットを、現在のグラフィカルユーザインタフェース(GUI)から、音声、ジェスチャ、視覚、視覚、触覚、脳波などといったインターフェースにどう進化させるか」。
    • Connectivity
       「スマートフォン経由に加えて、ウェアラブル機器がクラウドに直接つながるソリューションをどう確保するか」。
    • Miniaturization
       「スマートフォン経由に加えて、ウェアラブル機器がクラウドに直接つながるソリューションをどう確保するか」。
    • Durability
       「ウェアラブル端末は常時使用するライフツール。防水や防塵も含めてどれだけ耐久性を上げられるか」。
    • Energy Management
       「さまざまな機能を動かすために、消費電力と電源容量の効率をどれだけ上げられるか」。

     ソニーではこれらの技術の活かし、ユーザーの状況をより正確に理解して次の情報を予測する「コンテクストアウェアネス」という研究領域で産業創造に貢献したいという。具体的には、(1)検索や購買、ソーシャルネットワーク、メディア消費などのネット上の活動、(2)歩行や走行、移動手段といった物理的な活動、(3)位置、温度、湿度などの環境、(4)体温、発汗、緊張などの身体/精神状態、(5)集団による興味対象や社会動向の理解と予測を重視しているとした。

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