本書のタイトルにあるように「思考」を広げて、まとめ、深められるようになるには、ある程度の訓練が必要だ。その点において、この一連の動作ができるようになることを「技術」と言っていい。しかしその技術を習える場はあまりなく、それを教えられる人も少ない。そこで本書の出番だ。
とにかくさまざまジャンルの例題が並ぶ。「知人のリストを作る」などの簡単なものから、「緑茶の新製品のアイデアを考える」、「外国語学習の要素を考える」など、課題のタイトルだけを見たら、何の本なのか分からなくなるほどだ。個々の課題は独立しているので、気になる課題を取りあげて取り組むこともできるが、思考の訓練という意味では、最初から順番に取り組むのが、やはり良さそうだ。なぜなら、自分が普段思い付きもしない分野の課題に取り組むことで、いつもと違う頭の使い方を強いられることになり、それがそのまま訓練になるからだ。
思考を広げることは誰しも普段からやっているかもしれないが、その視点を変えてまとめたり、さまざまな側面から考えたりすることは、案外やっていないものだ。たとえば、新企画を考えたり、プレゼン資料を作ったり、仕事をしていれば誰でも取り組む可能性があることに応用できる。
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