2014年も興味深い本をたくさん紹介してきた。2015年に発売される本を読む前に、2014年の間に出版された本をまとめてチェックしておくのはどうだろう。年始の少し時間が取れる休みの間に、読んでおきたい5冊をピックアップする。
本、新聞、雑誌、ウェブサイトなどに書いてあることを鵜呑みにしてしまいがちな人は、本書でいかに情報には嘘が多いかを知っておくべきだろう。嘘とまでは言わなくても、数字や図の解釈の違いや、情報の出し方によって、どれほど印象が変わるかを知っておくのは重要だ。自ら判断して、情報の大本を確認し、数字やグラフが表す意味を正確に読み取れるようにならなければ、他人の判断を当てにして、情報に流されるだけになってしまう。
しかしながら、情報の取捨選択ができるようになるためには、ある程度の慣れと訓練が必要だ。だからこそ、情報の見方を教えてくれる本書で、そのための技術を磨くのがお勧めだ。本書には、立ち止まって情報の真偽を確認するポイントが散りばめられてある。訓練にはもってこいなのだ。
仕事をスムーズに終わらせるために何らかのタスク管理ツールを使っている人は多い。しかし、仕事にかかる時間を正確に見積もって記録し、次に生かせているだろうか。本書では「タスクシュート方式」という1分単位で仕事にかかる時間を見積もり、記録して、次に生かしていけるタスク管理方法で、時間通りに終わらない仕事の現実を把握し、実際に見積もり時間どおりに終わることができるタスク管理の手法を紹介している。
本書はさまざまなタスク管理や時間管理術の本を読んだが、あまり状況が改善されず、なぜ「時間がない」のか、なぜ「時間通りに終わらない」のか、その原因を究明して、本当に役立つタスク管理術を知りたい人向けの書だ。
意外に身近な道具で、問題解決の糸口が見つかることがあるものだ。その道具の1つが「フセン」だ。職場でフセンがないということは、ほとんどないだろう。なんだか頭の中がごちゃごちゃして、考えがまとまらないときは、そうした馴染みのあるフセンに、キーワードを書き出して、ノートか大きな雑紙に貼り付けて、俯瞰して見てみると、まとまりを見つけたり、新たな発見があったりする。
このようなちょっとしたこと以外にも、フセンを使えるシーンというのが、意外にたくさんあることに驚かされるだろう。本書には、フセンをさまざまな状況に利用している例がたくさん紹介されている。会議やブレインストーミング、自分の今後の目標設定など応用できる使い方も多い。読んですぐに役立つはずだ。
会社に勤めているからこそ、挑戦しがいのある仕事ができることがある。起業したり、独立してフリーランスになったりすることは、それ自体が大きなリスクを伴うことではあるけれど、「会社」というある程度揺るがない(揺るぎにくい)バックグラウンドがなければできないような仕事には、おいそれとは手を出せなくなる。
もし今会社員として働いていて、会社なんて明日にでも辞めてやると思っているのならばぜひとも本書を読んでもらいたい。今いる場所で、自分はこれ以上何もできないのか? おそらく、そうではないだろう。新たな一歩を踏み出したいというのなら、まずは社内で新しい行動をしてみるのが得策だ。
それでもやっぱり会社を辞めて独立したいということであれば、本書で経理について勉強しておくといい。会社に勤めている間は、会社の経理担当者がしてくれていたことを、すべて自分でやらなくてはならないのだ。これは、細かいことや数字が苦手な人にとっては、大変な苦痛だ。しかし、大抵の場合は、自分でやるしかないのだ。
経理を楽にするオンラインのサービスはいくつかあるが、銀行やカード会社から自動でデータを読み込めるだけで、自分で仕訳をする必要がある。最低限の知識を持っていなければ、帳簿は付けられない。何に注意すべきか分からなかったり、判断に迷ったりすることもある。そんな時、強い味方となってくれるのが本書だ。
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