現在の日本の社会や産業の状況を指摘しながら3人が語った“失敗力のススメ”はそれぞれ次のようなものである。
「失敗には2つある。1つは“攻め”に行ったときの失敗。もう1つが“守り”の失敗。この2つは明確に分けるべき。アクティブな失敗は学べるが、コンプライアンス上の問題とか顧客情報が漏えいとか守りのほうの失敗はシステムが揃っていない、抜けているというだけの話で学ぶものはない」(夏野氏)
「以前のような製造業中心の時代は物をつくって輸出していればよかった。でもインターネットのサービスがいろいろと出てきた今の時代では、エコシステムを回している日本の国内のマーケットだけではサステナブルではなく、国際的になっていく必要がある。それに組織がどんどんチャレンジしていくべき」(三木谷氏)
「今、リアル世界とネットの世界がすごい勢いでオーバーラップしようとしている時期。しかも同期しようとしている。世の中のいろんな命題がみんなでシェアされてネットの力でゲーム的に解けるかもしれないという時代になってきている。失敗の経験もすごい勢いでシェアされる」(久夛良木氏)
最後に、モデレーターの米倉氏はセッションの締めくくりとして「ミステイクにはスマートかどうかなんて関係ない。スマートかどうかより本気でやっているかどうか。例えば面接官に過去にどんな失敗をしたかを問われて答えられないというのは、限界までやっていないんだなということになる」と総括。さらに、「失敗からどうやって学ぶかが重要。やらなければ失敗もしないのだから、実は失敗よりも確率の話」と、本セッションのテーマとして掲げられた“スマートミステイク”についての本義をまとめた。
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