--ハッカソンを教育手段として考えたとき、どのような人材が輩出したいのか。
木戸氏 自分で問題を発見して解決でき、多様性のある人材が育つといいなと思っています。たとえば海外にしても米国だけでなく、アジアやアフリカなどのバックグラウンドの異なる人ともしっかりとコミュニケーションできる人です。
JPHACKSは東大の中でも「ソーシャルICTグローバル・クリエイティブリーダー育成プログラム」が主催しています。このプログラムでは最新のICTを基軸に社会変革を先導するリーダーを産官民学・海外連携により育てています。ICTも大事である一方、起業にはお金の問題もあり、さまざまな人の力を借りることが必要です。このプログラムはそこも考慮していて、海外のインターンシップを必須にしています。この取り組みとも狙いが共通していると思います。
これまで日本では大学ベースのハッカソンはありませんでした。でも、バークレー大学から帰ってきた学生が、ハッカソンを楽しんできたと報告してくれました。文系の学生でも自発的にハッカソンを開催しているそうです。そこで、ソーシャルICT研究センターが基軸になって、技術の理解やシステム設計の考え方などを文系でも参加できるハッカソンという形で開催することになりました。短期間で集中するので伸び方も大きいようです。
新田氏 インターネットという膨大な情報の中から、正しい情報を見極められることも大事です。今後はクラウドサービスやAPIなどによって、エンジニアがインフラを気にすることなくアプリ開発に集中できる環境がより整っていきます。そこで自分の作りたいモノがどのサービスやAPIを使えば最適なものになるか、情報の取捨選択が重要です。エンジニアのハードルは下がっていますが、その分、技術の本質を見極める能力が求められていくでしょう。
木戸氏 コンピューターサイエンス、アルゴリズムをしっかりと知っているからという理由で採用に有利なケースも多々あります。ネットから拾ってきたものを組み合わせてモノを作っても、原理がわからなければ意味がありません。
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