Disney Animationの関係者にとって、テクノロジはなくてはならないものだ。Hendrickson氏は次のように述べた。「テクノロジは明らかに付随的な要素ではない。これまでもそうではなかった。テクノロジはわれわれの生活の一部であり、テクノロジを進歩させ、テクノロジの未来がどんなものになるのか想像することも、日常的に行っている。私が子どものときは、空飛ぶ車や自分の代わりに宿題をやってくれるコンピュータが未来の世界だった。その世界はまだ実現していない。あえて子どもに戻って、テクノロジが秘めた可能性を想像し、そのテクノロジが現実のものになれば、素晴らしいことだと思う」
「ベイマックス」に登場したテクノロジ分野の1つが3D印刷だ。もちろん3D印刷は現実に存在するが、ベイマックス用の鎧を作れるような極めて高い水準には達していない。「3D印刷はこれから活発になるトピックだ。3D印刷が『ベイマックス』で描かれているような速度、品質、正確さ、耐久性で可能になれば、うれしいと思うだろう。いずれ実現するはずだ。子どもが学校から帰って来て、何かを思いついたら、それを3D CADシステムに入力して実際に作り出すことができる。そんな未来を想像してみてほしい」(Hendrickson氏)
「ベイマックス」に登場するテクノロジには、ロボットへのマインドコントロールもある。Hendrickson氏はこれについて、「研究が活発な分野であり、一定の成果をあげ始めている。映画の中では非常に円滑に機能するが、現実世界ではそれほど円滑に機能しない。将来的に、人間が機械と対話して自分の考えを機械に伝えられるようになるのが望ましい。それにより、脳波を使って超小型ロボットを操作する柔軟な制御方法が可能になる」と述べた。同氏によれば、将来、これを利用することで、電子メールをどう開封するかを思い浮かべるだけで、ロボットがすぐに電子メールを開き、内容を読み上げてくれるようになる可能性もあるという。
「『ベイマックス』に関して私が素晴らしいと思っていることはほかにもある。この映画の世界では、テクノロジが邪悪なものではないことだ。テクノロジはただそこにある。人々はテクノロジを開発し、使用する。子どもたちも利用する。つまり、テクノロジは誰もが使用し、自分自身をより良いものにするために利用するものであり、悪の帝王のようなものとして描かれているわけではない。私はテクノロジに関するこの前向きなメッセージを気に入っている」(Hendrickson氏)
その前向きなメッセージを画期的な光レンダリングソフトウェアと組み合わせた結果、「ベイマックス」が生まれた。米国時間11月7日の米国での公開以来、世界中の観客を魅了しており、既に世界中で1億9000万ドルの興行収入を記録している(日本では12月20日公開)。
「劇場に足を運んで鑑賞したいと思わせる映画だ。観客は、新鮮で新しく、驚かせてくれる映画を求めている」(Hendrickson氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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