Facebookは、プライベートなユーザーデータについて、たとえそれが犯罪に関わりのない人々のデータであっても、法執行機関による収集を可能にする捜査令状に対し、同社が異議を申し立てられる権利があるとして、判事団を説得しようとしている。
米国時間12月11日、ニューヨーク州控訴裁判所において、大量の捜査令状に関連する法的問題をめぐりFacebookとマンハッタン地区検察局が争っていた件で、5人の判事による審理が開始された。この裁判は、2013年にFacebookに対して捜査令状が発行されたことに端を発している。この令状により、Facebookは、実際に犯罪とは無関係の約300人分のFacebookアカウントを完全に開示するよう求められていたと、The New York Times(NYT)が11日に報じた。
NYTによると、Facebookは、検察側が障害給付金を不正に受け取っていた警察官などの公務員を起訴しようとした件で、381人分の個人情報の提供を命じられたという。しかし、そのうちの302人はアカウントが開示された上に、詐欺とはまったく無関係だったことが分かった。
この訴訟は、オンラインではあるものの、私的な個人情報を保護する必要があるとすれば、どのように実行すべきかとの懸案事項に関わるものだ。判決は、Facebookだけでなく、他のソーシャルメディア企業にも影響を及ぼす可能性がある。NYTによると、Google、Twitter、LinkedInはいずれも、Facebookの立場を支持する短い声明を出しているという。
米連邦捜査局(FBI)は、個人のFacebook上のチャット、電子メール、その他の私的なデータを利用する場合、捜査令状すら必要ないと主張している。これは、法執行機関の関係者がこうした情報を入手する際は令状を受ける必要があるとした、2010年に控訴裁が下した判断に反する。
ただし今回、判事団で審理されている「In Re 381 Search Warrants Directed to Facebook Inc.」(Facebookに対する381件の捜査令状について)として知られる訴訟において、Facebookは、捜査令状そのものの対象範囲が広すぎたこと、また、それを理由に、それらの令状を拒否する権利が同社にあったはずだと強く主張している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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