「価値共創時代のマーケティング戦略」~価格競争から価値共創への転換を図る新たなフレームワーク~を主題に、マーケティングの最新状況を広く紹介する「CNET Japan Live 2014 Winter」の講演で、トビー・テクノロジー 広報室の藤井久仁子氏は、「ユーザーの本音は“視線”でわかる--実践アイトラッキング活用」と題し、消費者の視線の動きをリアルタイムで解析する「アイトラッキング」の活用法を、事例を交えて解説した。
トビー・テクノロジーのアイトラッキングは、国内では現在、300以上の大学、研究所、200社以上の企業で活用され、商品パッケージ、店頭、棚割、ウェブやスマートフォンのユーザビリティ、広告物の評価、ノウハウ継承など、マーケティングリサーチに利用されている。一方でゲーム、コンピュータ・インタラクション、医療、自動車などの次世代ナチュラルインターフェースとしても期待されているという。2012年には米Intelの出資を受けた。
アイトラッキングは、人間の視線の動きを解析することにより、本音、意識の実態を探っていくものだ。ここで注目されるのは、熟練者が持っている暗黙知のように、マニュアル、言語による表現形式にしづらい情報を捕捉し、可視化できることだ。熟練者の視線がどのように動いたかを分析し、ものづくり、保守保全などに活用できる。
インターフェースとしての用途は、たとえば身体の不自由な人が、視線だけを用いて、機器の操作や文字入力、といったことができるようになる。すでにLenovoのノートPC、NTTドコモのタブレットで、視線操作の技術が採用されており、三菱電機が開発している、コンセプトカー「EMIRAI 2」にも搭載されている。
藤井氏は「現在、福祉向けに出荷しているが、さらに市場を拡大し、さまざまな業界と話し合いを進めている。電車内でタブレットを使用する場合、左手でタブレット本体を携え、右手で吊り革を持っていても、視線で操作することで、いわば眼が"第3の手"になる」と話す。
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