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勝負は発売「後」--ユーザーとの“価値共創”が必要な理由

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 CNET Japanは、マーケティング活動の障壁となる「垣根」を取り除くために必要なマーケティング戦略から最先端のテクノロジを活用したマーケティング戦術まで包括的に取り上げ、紹介する、"CNET Japan Live 2014 Winter「ボーダレス」がマーケティングの決め手"を、東京都中央区で開催した。

 トライバルメディアハウス代表取締役社長の池田 紀行氏は、「価値共創時代のマーケティング戦略」をテーマに登壇、マーケティング3.0や、コミュニケーションを顧客と“共創”しようとする潮流について解説した。


トライバルメディアハウス代表取締役社長 池田 紀行氏

 共創とは、企業と顧客が中長期的な関係を築き、深く理解し合うなかで予期せぬ、または期待を超えた新しい価値を生み出すこと。一方共創マーケティングは、ブランドへの支持(advocacy)を高めたり、支持者との関係の中でしか得ることのできないイノベーションを促進し、新しいライフスタイルをつくる活動であると説明する。

 技術が進化していくとともに、顧客ニーズは限界に達してしまうという。例えば、これまでの主なデジタル家電製品の価格推移をみると、店頭価格が当初の50%にまで下がるまでの期間は、ノートPC(A4)、プラズマテレビで6年だったが、DVDレコーダーは3年、液晶テレビは2.8年であるなど短縮化している。これは、長い時間売れ続けるヒット商品が出にくくなっているということだ。さらに、市場で最も高い支持を得る商品が出れば競合他社は瞬く間に追随し、優位に立てる時間は限られてくる。

 この消費者向け領域の市場は熾烈な競争が避けられない、いわゆる「レッドオーシャン」になっているのだと、池田氏は強調する。市場は成熟化し競合が成功した商品があった場合、安易に追随してはいけないと池田氏は警鐘を鳴らす。もし欲しい商品が近所のコンビニになかったとして、それを遠くの店舗に出かけてまで手に入れようとする消費者はいないからだ。「先進国では、市場の成熟化が行き着くところまで来ている。顧客のニーズを満たすには従来、より薄く、あるいは頑丈であるなど、機能のアップデートで済んでいた面があった。商品がコモディティ化してしまえば、あとは価格競争になるほかはない」(池田氏)のが現状だ。

 マーケティングの使命は、真のターゲットがどこにあるのかを探ること。「例えば歯磨き粉であれば、最大のベネフィットは虫歯予防だ。だが、シェア1位を取った商品が虫歯予防が特徴だといえば、2位以下が同じことを主張しても大きな意味はない。そこで各社は、歯周病予防や歯肉炎予防、知覚過敏ケアなどそれぞれの優位点を言い立てるようになった。ある商品がヒットしても半年後には、追随され技術的にも追いつかれてしまい、短時日のうちに価格競争に突入する」(同)ことになる。

 米国の経営学者であるPhilip Kotler氏によれば、マーケティング1.0は、製品中心のマーケティング、同2.0は消費者志向、同3.0は価値が重点だったが、さらに次のマーケティング4.0では、自己実現が目的なのだという。

 池田氏は「企業が売るべき商品を理解していて、消費者も買うべきものがわかっていれば、マーケティングなど不要だ。企業が売るべき商品を知っていて、消費者が知らないのであれば、販売促進の活動をすれば、売れるようになる。かつては、企業が何を売って良いのかわからないものの、消費者側に尋ねれば適切な商品を探り出すことができた時代もあった。しかしいまや、供給側と消費者側の双方が売るべき、買うべき商品がわかっていない」と話す。

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