ジャストシステムは12月2日、日本語ワープロソフトの最新版「一太郎2015」とともに日本語入力システム「ATOK 2015」を発表した。
今回のATOK 2015は、入力するときに自分の感情や考えを表すための最適な言葉を見付けやすいよう、思考を先読みして入力していく機能や豊富な選択肢の提示、思い出せない言葉の入力支援機能が搭載されている。
中でも注目なのは、思い出せないあの言葉を入力できる「ATOKナントカ変換サービス」だ。言葉の出だし部分が分からない場合に、「なんとか」に続けて言葉の後半部分の読みを入力すると、ことば全体を入力できるというもの。
例えば、「なんとかさーびす」と入力すると、候補が登場する(変換キーは押さない)。タブキーで候補を見ると「ホスティングサービス」「ブログサービス」など288の候補が出てくる。これまでならば、別途ブラウザを起動して「レンタル」「サーバ」といったキーワードを入れて候補を検索していたケースでも、ATOKだけで解決できるかもしれない。ただし、「じゃすとなんとか」のように、言葉の後半に「なんとか」が付くパターンは対象外となっている。
なお、トリガーとなるキーワードは「なんとか」以外にも「○○」など5パターンまで自由に設定できる。メニューから「ATOKクラウドサービス」「ナントカ変換の設定」をたどると設定画面になる。
ジャストシステムは、同日より先行してこの機能を月額サービス「ATOK Passport」「ATOK Passport [プレミアム]」向けに提供を開始した。既存のATOKユーザーは「JUSTオンラインアップデート」を利用して最新版にアップデートすると利用できる。Windows、Androidに加え、Mac上でも利用可能だ。さらに、最大43日間このサービスを利用できる「ATOK for Windows 無償試用版」と「ATOK for Android Passport版」もウェブからダウンロードできる。
このほか、2015年2月に提供予定の正式版では、思考を先読みして「推測変換」候補を提示し続ける「推測フォロー変換」、連想変換を強化し、よりぴったりなことばが見つかる「類語ファインダー」も搭載する。
推測フォロー変換は、複数文節を入力した場合でも、入力途中で推測候補が消えることなく、「ATOK」が思考を先読みするかのように、入力されていく読みにあわせて変換候補を提示し続ける。本機能により、入力効率が最大20%向上するとしている。
さらに、自然科学、社会科学、人文科学の主要な分野から幅広く専門用語を収集し、約10万語を新たに追加して専門用語辞書を大幅に拡充したほか、「ATOK」が入力中の文章の内容を理解し、同音異義語と区別して適切な変換候補を提示する機能を強化した。たとえば、「重要文化財」と入力後は、「じゅうぶん」の読みに対して「重文」を変換候補として提示する。
なお、通常のATOK 2015は、2015年2月6日に発売する。「ATOK 2015 for Windows [ベーシック]」の希望小売価格は税別で8000円、「ATOK 2015 for Windows [プレミアム]」は1万2000円だ。
プレミアム版は、ATOKナントカ変換サービスの1年間利用権が付く。さらに類語ファインダーを強化する「三省堂類語新辞典 for ATOK」、新語に強い「三省堂国語辞典 for ATOK」、変換中のことばからリアルタイム翻訳が行える「8カ国語クラウド翻訳変換 for ATOK」、Excel内の単語やフレーズを変換候補として表示する「ATOKダイレクト for Excel」が利用できるほか、「ATOK」連携電子辞典として「ジーニアス英和/和英辞典 for ATOK」も収録している。
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