ジャストシステムは、iOS 8上でIMEとして利用できる日本語入力システム「ATOK for iOS」を発売した。App Storeからダウンロードできる。価格は1500円だ。ATOK Passportには対応していない。
開発コンセプトは「iOS史上、最高の日本語変換を」と掲げる。ATOK for iOSでは、これまでのモバイル向けとは異なり、Mac、Windows向けの「ATOK」相当の高性能なエンジン「ATOK EV Engine」を搭載しているのが特長だ。
iPhoneやiPadで違和感なく利用できるようインターフェースを設計し、iPhone向けにはテンキーキーボードでのマルチタップとフリック入力、iPadではQWERTYキーボードを用意する。これまでのスマートフォン向けATOKの開発で培ったノウハウを活用し、長文も変換して確定できる「変換キー」、文章の編集に便利な「らくらくカーソル移動」機能(ただし、APIの関係で左右のみ、上下はない)、句読点単位で削除できる「まとめて削除」も搭載する。
設定は、インストール後に「一般」→「キーボード」→「キーボード」→「新しいキーボードを追加」でATOKを選ぶ。その後、「ATOK」タップし、「フルアクセスを許可」する必要がある。フルアクセスをオフにしてもまったく使えないということはないが、単語登録ができない、学習しないモードで動作するといった制限があるという。
ジャストシステムによれば、開発に着手したのはWWDC 2014でサードパーティ製のキーボードのサポートが発表された後だという。「Android版は1年から1年半ぐらいかけたが、今回は約3カ月未満。アップルが公開する限られたAPIの中で、エンジンの移植から開始し、この期間でできるだけのことをしてきた」と話す。
かな入力は搭載されていないが「今後要望があれば」としている。なお、ATOK Passportの対応について「ATOK Passportのラインアップとして揃えることは諦めていない」とコメントする。現在は、ジャストシステム側の決済システムを利用しているため、ラインアップに追加できないが、サブスクリプションの導入の検討や、それを採用した場合のAndroid版やPC版をどうするかなどの問題をクリアし、最適な方法を探りたいとしている。
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