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2大マンガアプリ「comico」「マンガボックス」独占対談--ゲームに続く成長市場を作れるか

藤井涼 (編集部)2014年11月28日 15時00分
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 スマートフォンが登場したことで最も成長した市場は言うまでもなくゲームだろう。「パズル&ドラゴンズ」や「モンスターストライク」など、1000万ダウンロードを超えるヒットタイトルも登場し、これまでほとんどゲームで遊んだことのなかったライトユーザー層をも一気に取り込んだ。

 このゲームに次ぐ巨大市場になりえる領域として注目を集めているのが、スマホ向けのマンガサービスだ。紙のマンガ雑誌と同様に契約した作家が定期連載していることが特徴で、無料で読めるため店舗での“立ち読み”に近い感覚で気軽にマンガを楽しめる。近年は端末の大画面化が進み、マンガを読みやすい環境が整ってきたこともサービス普及の追い風となっている。

 スマホ向けのマンガサービスの中でも目覚ましい成長を遂げているのが、NHN PlayArtが2013年10月に開始した縦読みスクロールのマンガアプリ「comico(コミコ)」と、ディー・エヌ・エー(DeNA)が同年12月に開始した人気作家の新作連載が読める「マンガボックス」。いずれもサービス提供から1年を待たずに600万ダウンロードを超えるなどユーザーが急増している。


DeNA IPプラットフォーム事業本部 開発一部 部長の椙原誠氏(左)と、NHN PlayArt comico事業部 コンテンツビジネスチーム マネージャーの赤沼純氏(右)

 いまでは多くのユーザーを抱える両サービスだが、スマホ向けマンガという新たな市場を切り開くにあたり、どのような試行錯誤をしてきたのか。また、紙のマンガ雑誌にはないデジタルならではの強みはどこにあるのか。こうした疑問を、comicoを統括するNHN PlayArtの赤沼純氏と、マンガボックスを統括するDeNAの椙原誠氏の2人にぶつけてみた。なお、両サービスの代表者の対談は今回が初めてとなる。

1年で600万ダウンロードを達成できた理由

――サービスについて聞く前に確認しておきたいことがあります。お二人は面識があるようなのですが、どのような関係なのでしょう。

椙原氏 : 赤沼さんとお会いするのはこれで3回目です。僕が2001年に就職活動で受けた会社で、当時の面接を担当していたのが赤沼さんでした。内定をいただき、その後の内定者の集まりでもう1度お会いしたのですが、入社したら赤沼さんはもういなくて……。

赤沼氏 : 実は、僕が国際チームに移動してブラジルに赴任することになってしまいまして(笑)。ただ、日本に帰国したら今度は椙原さんが退職していて、また入れ違いになってしまうという。

――すごい偶然ですね。そんなお二人が、こうして10年後にマンガサービスの代表として対談することになるとは。

赤沼氏 : まったく想像もしていなかったですね(笑)。 椙原さんがDeNAに入ったというのは彼の同期や周辺の人から聞いていたのですが、何のサービスを担当しているのかは知らなかったので。

――では気を取り直して、サービスについて聞いていきたいと思います。改めてそれぞれのサービスの強みと、この1年の手応えを聞かせて下さい。

  • DeNAが運営する「マンガボックス」

椙原氏 : マンガボックスの強みは、どんな年代や性別の方でも、読みたいマンガがちゃんとあるという「質」と「ラインアップ」です。また、雑誌形式であることもこだわりで、ページをめくりながら1つの作品を読み終わると、そのまま次の作品に進むようになっています。これは紙のマンガ雑誌と同じで、目的の作品を読むついでに他の作品も読んでみたら面白かったという体験が実現できていると思います。作品ごとに分かれているサービスでは、見たい作品を読み終わると同時にアプリを終了するなど、離脱ポイントがいくつかあるので、ここで差別化はできていると思います。

 1年で600万ダウンロードを超えるサービスはなかなかないので、そういう意味では無料連載のスマホマンガのポテンシャルの高さを感じています。また、ウィークリーのアクティブユーザー数は約150万程度で、1ユーザーあたりの滞在時間や閲覧コンテンツ数も他のサービスより高いと思います。ただ、マンガの歴史を考えると週刊少年ジャンプは最盛期は有料で650万部売っているので、スマホマンガはまだまだ可能性のある市場だと思っています。

  • NHN PlayArtが運営する「comico」

赤沼氏 : comicoでは、“デジタル時代のトキワ荘”をコンセプトに、新しい作品を発表し、出会える場にしたいと思っています。ですので、一番の強みはユーザーが投稿した作品が、読者の評価によってベストチャレンジ、公式作品へと登っていくところだと思います。

 そこがユーザーの皆さんに受け入れられたからこそ、600万ダウンロードを超え、公式連載も100作品を超えたのだと思います。メディアが紙からフィーチャーフォン、そしてスマホに変遷しているなかで、マンガもその中のコンテンツとして受け入れられ始めていることを実感しています。

――ユーザーが増え始めたタイミングは。どこかで急増するポイントはあったのでしょうか。

椙原氏 : マンガボックスはアプリを公開してすぐにテレビCMを放送したので、そこで一気に数字が跳ねました。当時、無料で読めるマンガはあったかもしれませんが、いわゆる週刊誌で連載するレベルのマンガを無料で読めるサービスはなかったので、立ち上がりから急角度でダウンロードが増えましたね。12月4日にアプリをリリースして、約1カ月後の1月7日には200万ダウンロードを超えました。また、マンガボックスにはTwitterやFacebookで作品情報をシェアすると、1週間先の話を読める機能があるのですが、そこで一気にバイラルしたことも大きかったですね。

――確かに続きが読みたい読者は、つい先読み機能を使ってしまうでしょうね。comicoはどうでしょう。

赤沼氏 : comicoも夏にテレビCMを放送した効果はありましたが、弊社は元々ゲーム会社で有名な作家さんを抱えていなかったので、当初のユーザーの伸びはすごく緩やかでしたね。ただ、話数が溜まってくると、それに比例して読者も増えていきました。サービス開始時から連載している作品はもう50話を超えているので、作品を途中で知って1話から最新話まで一気に読むという方もいます。ですので、何か特別なことをしてユーザーを増やしたというよりは、話数と作品数が伸びに起因していると思います。

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