2大マンガアプリ「comico」「マンガボックス」独占対談--ゲームに続く成長市場を作れるか - (page 3)

藤井涼 (編集部)2014年11月28日 15時00分
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スマホマンガは「併読」するのか

――comicoとマンガボックスは、結果的に作品群やテイストが違っていると。ジャンプとマガジンを併読する人がいるように、今後は複数のマンガアプリを併読するユーザーも増えてくるのでしょうか。

椙原氏 : 確かにジャンプを読んで、マガジンも読む人がいるように、スマホマンガも競合排他のような世界にはならないと思います。ただ、紙のマンガと違うところもあるのかなと。デジタルになると掲載数に限りがないので、作品数があればいくらでも読めてしまう。なので「このサービスしか使わない」というユーザーはいないにせよ、紙の併読よりは1つのサービスにかける時間が長くなる可能性はあると思います。

 むしろ、スマホという端末で言えば、ゲームなどマンガ以外のサービスを競合視すべきだと思っています。人の限られた可処分時間を、同じエンターテインメントという括りの中でいかに選択してもらうかということなので、同じマンガだけを見ていてはスマホの世界では戦えないと思います。

赤沼氏 : まったく同じ答えを先に言われてしまったのですが、可処分時間の奪い合いみたいなところはあると思います。スマホにはゲームやYouTubeなどさまざまなサービスがありますが、その中でマンガボックスやcomicoが、マンガというコンテンツを世の中にどんどん送り出すことで、ゲームよりも時間を割いてくれる人が増えれば、業界全体の活性化にもつながると思います。

――出版社の参入についてはどう考えていますか。集英社はマンガアプリ「ジャンプ+」の中で、作品を投稿できる「少年ジャンプルーキー」を開始します。以前取材した際に、週刊少年ジャンプ副編集長の細野氏は「プロの編集部が育成することが強み」と語っていましたが、脅威ではありませんか。

椙原氏 : マンガボックスはあくまでもプラットフォームだと思っています。ですので、すでに講談社の作品は掲載されていますが、同じように集英社の作品が載っていてもまったく問題ないと思います。マンガボックスにはすでにアクティブにマンガを読むユーザーが沢山いるので、むしろそこをうまく活用してもらえればと思います。

赤沼氏 : ジャンプやマガジン、サンデーなどの既存のマンガ雑誌では、長年培われてきた編集力や過去の経験値が財産ですし、そこが評価基準になるのだと思います。我々はそういったものはないですし、作家さんの創造性を第一に考えたいので、作品の良し悪しについても読者の判断に委ねています。そこが出版社とは大きく違うところなのかなと思います。

 ただ、出版各社がマンガサービスを始めてもそれを特に競合とは思っていなくて、むしろ場を提供することで新しい作家がもっと生まれることに期待しています。実はcomicoとマンガボックスのどちらにも作品を投稿しているユーザーもいます。でも、それは紙でも同じで、ジャンプとマガジンのコンテストに両方応募する人がいるように、作家の出し先が増えることは望ましいことだと思います。

――それぞれの編集部のコンテンツ制作体制についても教えて下さい。

椙原氏 : マンガボックスでは、しっかり編集部を設けて自分たちで作品を作りつつ、インディーズではユーザーが投稿できるプラットフォームも用意するというハイブリッドモデルを採用しています。編集部はいま10人で、編集長には「神の雫」や「金田一少年の事件簿」の原作者である樹林伸さんについてもらっています。

赤沼氏 : comicoでは、先ほどお話したように作家の感性や創造性を大切にしているので、編集部も少人数で1桁しかいません、編集もどちらかというと一読者という立場に近くて、「こういうコメントがあったよ」と読者目線で作家さんに助言をしたりしています。基本的には、編集がしっかり入って一緒に作品を作るということはしていませんね。

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