「企画」はぼんやりとした概念の仕事だ。本書はどういうことをするのが企画の仕事なのか、また企画ができるようになるにはどうすればいいのか、さらには、企画とはどのようにするのかを、具体的に段階を追って説明している。実際には、「企画職」についていなくても、企画を考えなければいけない場面はたくさんある。本書は、そうした企画を考えなければいけないすべての仕事人の参考書だ。
本書は、アイデアの出し方や、発想のヒントになるような言葉を並べたてたような本ではない。自分との向き合い方から始まり、視点の変え方、マーケティングデータの読み方、名作の分析・解析方法など、具体的で実践に生かせる技術を教えてくれる。また、企画職に就いてから何年目なのかに注目し、段階ごとに向き合うべき次の課題について触れている。これは、周りに自分を叱ってくれる人がいなくなりつつある世代にも、効くはずだ。
急に「何か新しい企画を考えろ」と言われても無理な話だろう。著名人の過去の仕事を参考にしても、そこからヒントを得られる人は、すでに指導がいらないような人であって、たいていの場合は「企画の立て方」を知らないまま、手探りで進むことになる。普段から、いかにアンテナを張って、自分自身を鍛えておくことが重要かが本書から学べる。
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