アニメ・同人専門フリマアプリ「アニマート」が攻勢へ--「“細部の差”で勝負」

井指啓吾 (編集部)2014年11月17日 11時34分

 アニメ・同人グッズ専門のフリマアプリ「A2mato(アニマート)」を運営するセブンバイツは11月17日、サイバーエージェント・ベンチャーズをリードインベスターとし、EastVenturesと個人投資家2人に対して第三者割当増資を実施したと発表した。調達額は非公開だが、総額1億円前半程度とみられる。

  • 「A2mato」

 今回の増資により、プロモーションを強化するほか、開発とカスタマーサポート(CS)の体制を拡充する。サービスの流通総額は明かしていないが、今後その上昇に応じてCSの人員を増やしていく考え。セブンバイツ代表取締役の澤田翔太氏は「1年をめどに月次2億円の流通総額を達成したい」と意気込む。なお同社は11月1日、スタッフの増員を見越して、以前よりも広いオフィスに移転している。

 また17日には、ショッピング・オークション一括検索/比較サービス「オークファン」を運営するオークファンから出資を受け、資本、業務提携することも発表。同サービスでこれまでに蓄積されてきた約200億件以上の商品/価格データと、A2matoにおける専門性の高い商品/価格データとの連携を進める予定という。

 澤田氏によれば、現在、ユーザーによる出品額のぶれが激しいため、適正な価格を認識してもらう目的で、アプリに商品の相場情報を表示させることなども考えているという。

 A2matoの累計出品数は30万件弱で、現在の1日の出品数は1000件程度。アニメや漫画、同人グッズに特化したサービスであるため、ユーザーの大半はそれらを好む男女だ。澤田氏によれば、その中でも、美少年同士の恋愛を描いた“ボーイズラブ”を好む15~25歳の女性が多いという。なお、コスプレグッズの分野では特に女性専用フリマアプリ「Fril」と競合しているそうだ。

 「今後、出品物と購入者のマッチング効率を上げることに注力する。運用の質を高め、UI/UXを改善し、“細部の差”で勝負していく」(澤田氏)。


セブンバイツ代表取締役の澤田翔太氏。新オフィスにて

フリマアプリの「専用出品」文化

 フリマアプリには、「この商品はあのユーザーにむけて出品している」ことを示す“専用出品”という文化がある。「○○さん専用」や「○○さん購入済み」などのタイトルが付けられ、予約商品のように扱われている。運営側がこのルールを作ったわけではなく、ユーザーが独自に作り上げたものだ。

 澤田氏によれば、これはFrilから始まって「メルカリ」に広まり、そこからA2matoに入り込んできたという。今後、フリマアプリ利用時には誰もが知っておくべき当たり前のルールになるのかもしれない。

四半期に一度「嫁」が変わる

 テレビアニメは1~2クール(3~6カ月)で放送されることが多く、放送作品が変われば好きなキャラクタが変わる人も多くいる。A2matoもこの影響を受けているそうで、澤田氏はこのトレンドを「四半期に一度『嫁』が変わる」と表現する。

 A2matoは他のフリマアプリに比べて限定品へのニーズが高く、中には特定のキャラクタのグッズをすべて購入しているユーザーもいるそうだ。

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