女性向けフリマアプリ「Fril(フリル)」を運営するFablicは9月25日、クックパッドとコロプラ、ジャフコを引受先とする第三者割当増資により、総額約10億円を調達したことを発表した。
出品者の商品代金の10%を手数料として差し引くビジネスモデルで、初年度となる2012年度から黒字化を達成、安定した経営を続けてきたFablic。シード期に複数のベンチャーキャピタルから総額で数千万円は調達しているが、今回のように大きな資金調達は初めてだ。
現在、Frilのダウンロード数は約190万件、月間物流総額は5億円あまり。20代を中心とした女性が利用している。出品物には国内ブランドの商品のほか、iPhoneケースやピアスなどのハンドメイド品も多く、Fril独自のコミュニティが形成されているという。
資金調達の目的、そして今後の戦略について、Fablic代表取締役CEOの堀井翔太氏に聞いた。
一つはプロモーション。フリマアプリの戦いが空中戦(プロモーションなど)にシフトしてきているので、我々もある程度そこで攻めていかないと、と考えました。テレビCMなどでユーザーを獲得し、2015年には年間物流総額200億円を目指します。
もう一つは、うちの経営上のサポートをしてくれるところを増やすこと。現時点では、経営陣を増やすというよりも、ビジネス上のサポートをしてくれる人を見つけたいと思っています。
いまはプロダクト単体の勝負というより、世論をどう巻き込むかとか、良い人を採用できるかとか、イケてるスタートアップだと思ってもらえるかとか、アプリの出来ではないところにも戦いが拡大しています。そういう点から、僕らを応援してくれるところを増やしたいと考えています。
メルカリは迷いがないですよね。ずっと無料で、シェアを伸ばそうという戦略。1年以上僕らが先行してユーザーを集めていたので、とるべき戦略として、お金を使って巻き返すだろうなとは考えていました。
僕らは大きい資金調達をしたことがなかったので、フリマアプリ市場が世間的にどう評価されているのかがよくわかっていませんでした。今ようやく認識できましたが、“スタートアップ戦争”の中では著名な分野の一つとして取り上げられていて、まさか僕らがその渦中に入るとも思っていなくて。
フリマアプリはそれだけの資金を集められる市場なんだなと、メルカリの資金調達を見て感じましたね。
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