サムスンはグラフィックスチップメーカーNVIDIAに対して反撃に転じ、NVIDIAがサムスンの持つ6件の特許を侵害し、自社製プロセッサの速度について虚偽の主張をしたとして訴えた。
今回の訴訟は米国時間11月4日にサムスンがバージニア州東部地区連邦地方裁判所で起こしたものだが、この2カ月前には、カリフォルニア州サンタクララに本拠を置くNVIDIAが、サムスンとチップメーカーのQualcommを訴えていた。この際、NVIDIAはこの2社が特許料を支払わずに同社のグラフィックス関連特許を使用していると主張していた。
一方のサムスンは、NVIDIAのタブレット製品「SHIELD」が「世界最速のモバイルプロセッサ」(同社の「Tegra K1」を指す)を搭載しているとするNVIDIAの主張について、「虚偽であり、誤解を招くもの」だと主張している。サムスンによれば、複数のベンチマークで自社のプロセッサ「Exynos」の方が高速という結果が出たという。
NVIDIAは、サムスン製品でも特に人気の高いスマートフォンやタブレットの一部がNVIDIAの特許を侵害しているとして、これらの製品の米国への出荷を停止するよう求めている。対象となっているのは、「GALAXY Note Edge」「GALAXY Note 4」「GALAXY S5」「GALAXY S4」などだ。
NVIDIAの最高総務責任者(CAO)を務めるDavid Shannon氏は、11月11日付のブログの投稿で、サムスンが対抗訴訟を起こすであろうことは、同社を9月に訴えた時点で「完全に予測していた」と述べている。
サムスンの訴えには、虚偽の宣伝だけでなく、異なる種類のコンピュータメモリの制御に関連する特許など、チップセットに関わる6件の技術特許の侵害も含まれている。サムスンはまた、カスタムコンピュータ製品を手がける非公開企業のVelocity Microについても、訴訟の対象としている。同社はNVIDIAの顧客企業で、バージニア州に本拠を置いている。サムスンによれば、VelocityはNVIDIAに関して挙げた6件の特許に加え、他の2件の特許も侵害しているという。
サムスンは、損害賠償とともに、NVIDIAに対し特許侵害をやめるよう求めている。
一方、NVIDIAが起こした訴訟は、米国際貿易委員会(ITC)が10月にNVIDIAの訴えに関する調査に同意するなど、さらに進展している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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