UPDATE サンフランシスコ発--サムスンは米国時間11月12日、年次イベントの「Samsung Developer Conference」で多数のセンサを搭載する新しいウェアラブルリファレンスデザインなど、開発者向けの最新ツールに関する詳細を明らかにした。同社製品向けにカスタマイズされたアプリの開発を促すことを目的としている。
今回のカンファレンスは、新興企業と連携し、シリコンバレーにおける勢力を強化しようというサムスンの取り組みの一環である。同社は、ハードウェア開発ではかなり以前から最前線に立っているが、ソフトウェアとサービスに関しては苦戦している。
サムスンの開発者会議では、デジタルヘルス、スマートホーム、仮想現実(VR)、ウェアラブル機器に焦点が当てられている。
同社は「Samsung Digital Health SDK」、「Samsung Smart Home」のベータ版SDK、「S Pen SDK」など、これらの分野を対象とするソフトウェア開発キットを発表した。「New Look SDK」は、ファブレット「Note Edge」の曲面ディスプレイを開発者が活用できるようにするもので、「Gear S SDK」は、同スマートウォッチのスタンドアロン機能に適用されるソフトウェアの開発を可能にする。「Gear S」は独自のセルラーモデムを搭載し、スマートフォンに常時接続する必要のないサムスン初のスマートウォッチとなっている。
また同社は、ユーザーが同社の多様な端末にまたがってプログラムや情報にアクセスできるようにするための「Samsung Flow」についても語った。Appleの「Handoff」機能と同様に、ユーザーはスマートフォンで読み始めた内容の続きを、タブレットに移って読むことができる。また、項目を先延ばしにして準備が整ってから対応したり、複数の端末にわたって受信メッセージや通話に関する通知を受けたりすることも可能だ(「Samsung TV」上のテキスト受信を含む)。
基調講演では、サムスンのデジタルヘルス担当バイスプレジデントを務めるRam Fish氏が、同社の第2世代のウェアラブルリファレンスデザイン「Simband」も披露した。
サムスンのStrategy and Innovation Centerは5月に、ウェアラブルデバイスSimbandの初代のバージョンを発表していた。これには高度な健康関連データを測定する多くのセンサと、センサが測定したデータをデバイスから収集して分析できるクラウドベースのソフトウェアプラットフォーム「Samsung Architecture for Multimodal Interactions」(SAMI)が内蔵されていた。
第2世代のSimbandデバイスは、サムスンのスマートウォッチGear Sと似た外観を持つが、さらに多くのセンサが組み込まれている。また、今後は開発者がSimbandにアクセスして新しいセンサやアプリケーションを開発することも可能になる予定で、現在、注文を受け付け中だ。サムスンはさらに、クラウド型デジタルヘルスプラットフォーム用のSDKも発表している。
また、サムスンのコンテンツおよび製品ソリューション担当バイスプレジデントを務めるEric Anderson氏は、同社が2015年に製品ポートフォリオ全体で「Tizen」OSを展開する予定であると述べた。これにはテレビなどの製品が含まれている。今のところ、Tizenは「Gear 2」やGear Sなど、多くのサムスン製スマートウォッチに搭載されている。
これらの発表に先立つ米国時間11日、サムスンは新たに買収したホームオートメーションプラットフォーム「SmartThings」を通じて、新しい家電製品制御システムを発表した。家庭のルータにSmartThingsハブを接続すると、ユーザーはSmartThingsアプリを介して携帯電話からサムスン製スマート家電の状態を監視できる。サムスンは、開発者会議の会場となったカンファレンスセンターにスマートホームを構築し、SmartThingsの機能を紹介した。
また、サムスンはVRについて、同社「Gear VR」ヘッドセット向けの没入型動画を撮影できる新しい360度カメラ「Project Beyond」を披露した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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