Spotifyの創設者で最高経営責任者(CEO)を務めるDaniel Ek氏は米国時間11月11日、同音楽ストリーミングサービスが音楽の価値を引き下げてはいないことを述べ、歌手Taylor Swiftさんの主張とは逆の見解を示した。
Spotifyはこの6カ月未満で、有料会員数が250万人、広告表示版利用者数が1000万人増加し、これまでに20億ドル以上のロイヤリティーを音楽業界に支払っていると、Ek氏はブログ投稿で述べた。同ブログ投稿では、Swiftさんなどの著名なアーティストらによって繰り広げられている同サービスに関する批判も払拭しようとしている。Ek氏はその批判を「虚構」だとした。
Swiftさんは先週、自身の音楽カタログすべてをSpotifyから削除した。Swiftさんの最新アルバム「1989」は、2002年以来最多の週間セールス記録を打ち立てたばかりである。SpotifyはSwiftさんの要請に応じてその楽曲を削除し、Swiftさんはその後、作曲者、プロデューサー、アーティスト、音楽制作に携わるその他のクリエイターに公正な報酬を支払わない実験に、自身の生涯をかけた作品を貢献したいと思わないと説明した。「音楽には価値がなく無料であるべきだという認識を永続させようという考え方に、どうしても同意できない」とSwiftさんはYahooとのインタビューで述べた。Swiftさんは、YouTubeやSoundCloudといった他の無料サービス上に、自身の楽曲の一部を今でも提供している。
Ek氏は11日、音楽は価値ある芸術であり、アーティストは対価を得るべきというSwiftさんの意見は「まったく正しい」と述べた。それこそまさにSpotifyが行っていることだと同氏は述べた。
「われわれの唯一の存在理由は、アーティストを違法コピーから保護し、その素晴らしい作品に対して対価を支払うプラットフォームを通して、ファンが音楽を見つけ、アーティストがファンとつながるための手助けをすることにある」とEk氏は記した。
Spotifyはこれまでに、20億ドル以上を権利保有者に支払っている。2008~2013年に10億ドル、2014年だけでさらに10億ドルを支払った。Ek氏は10月のカンファレンスで、2014年の支払額を公表している。同社は5月、有料会員数が1000万人、広告表示版利用者が4000万人であることを発表した。現在はそれぞれ、1250万人と5000万人になっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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