謎に包まれた「Google Barge」(Googleのはしけ)が解体されたのは、火災の危険性が懸念されたためであることが文書で明らかになった。
8月に解体された同社の洋上ショールームは今から1年前、メイン州ポートランドとサンフランシスコに出現した。全長250フィート(約76m)のGoogle Barge(60個以上の輸送用コンテナで作られた4階建ての建物を含む)の目的はほとんど明かされなかったが、この400万ドルの建造物は、新しいGoogle製品を展示する招待者限定のショールームとして、メディアから注目された。
同社が認めたのは、Google Bargeは「人々が新しいテクノロジについて学ぶことができるインタラクティブなスペース」として検討されている、ということだけだった。Googleとはしけの関係に最初に確認したのは米CNETだった。
その後、Google Bargeが別の停泊地に移動し、解体され、スクラップとして売却されたことを受けて、興奮は混乱に変わった。
当初、Google Bargeが姿を消すのは結局のところコストが原因であると考えられていた(建造とその後の係留には多額のコストがかかった)。しかし、The Wall Street Journal(WSJ)が情報公開法(FOIA)を通じて入手した文書により、それは事実と異なることが明らかになった。
その文書を見ると、沿岸警備隊が火災に対する安全性に何度も懸念を表明したが、それが解決されなかったことで、Googleの請負業者がこのプロジェクトを中止したことが分かる。沿岸警備隊の商業用船舶コンプライアンス担当チーフ代理を務めるRobert Gauvin氏は2013年3月に送信した電子メールの中で、「これらのはしけは主甲板に5000ガロン(約1万8930リットル)以上の燃料を搭載しており、船上には大量の可燃物がある」と述べている。
さらに、Google Bargeを視察した沿岸警備隊の検査官は2013年9月、「(火災などで)人々が船外に飛び込むことを余儀なくされる」場合に備えて、さらなる安全対策が必要だ、と述べた。
沿岸警備隊関係者(守秘義務契約への署名を義務付けられていた)は、身体障害を持つ訪問者の安全性についても問題を提起した。150人以上が乗船することは絶対にないとGoogleは保証したが、沿岸警備隊はそれでも納得しなかった。
沿岸警備隊は8月、Googleに対して、「Google Bargeの設計には、通常義務付けられている一定の火災安全対策が組み込まれていない」と述べ、このプロジェクトは結局、9月に解体された。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)