Amazonでデバイス担当シニアバイスプレジデントを務めるDavid Limp氏は、スマートフォン「Fire Phone」が同社の高い理想に届かなかったことを認め、その価格設定が「間違っていた」と述べた。Amazonが米国時間10月23日に発表した第3四半期決算は、予想を大きく下回るものだった。純損失は4億3700万ドルで、Amazonの最高財務責任者(CFO)Tom Szkutak氏によると、「主にFire Phoneの在庫評価およびサプライヤーへの委託費用に関連する」損失として1億7000万ドルを計上したという。
別の言い方をすれば、失敗作と評価されたFire Phoneの販売は不振ということであり、米国では実売価格を99セントまで下げたにもかかわらず、およそ8300万ドル相当の在庫を抱えている。
10月30日付けの米紙Fortuneのインタビューに答えたLimp氏は、Amazonが「価格設定を誤り」、顧客の期待に応えられなかったのかもしれないと認めた。
「人々が大きな価値を期待していたのに、その期待に添えなかったようだ。われわれは価格を適切に設定したと考えていた。だが、『失敗をした』と認めることはいとわないし、すでに誤りを正した」と、Limp氏はFortuneに語っている。
Fire Phoneの小売価格は当初、32Gバイトモデルが199ドル、64Gバイトモデルが299ドルだった。これは業界では標準的な価格だ。しかし、モバイル機器業界のライバルたちを下回る価格を打ち出さなかったことで、Amazonは自らこの災難を招いたのかもしれない。オンラインで販売する商品に関して、同社は他社より低い価格を提示することで知られているからだ。
Limp氏は、アップデートによりFire Phoneの問題点の多くは解消されたものの、特にモバイル機器のように競争が激しい領域では、販売不振がすべてを物語ると述べた。とはいえ、Amazonは、忠誠度の高いモバイル機器ユーザーを獲得するための戦いから撤退しようとしているわけではない。「Kindle Fire」など、スマートフォン以外のモバイル機器の販売は、これまでのところ好調を維持しているからだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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