LINEは10月30日、2014年7~9月期の連結業績を発表した。売上高は前四半期比82.9%増(前四半期比16.6%増)の230億円、基幹となるLINE事業の売上高は前四半期比104.2%増(前四半期比17.7%増)の209億円と大きく伸長した。
同社によれば、スタンプ事業では5月に開始した、ユーザーがスタンプを制作して販売できるプラットフォーム「LINE Creators Market」が引き続き成長している。2014年9月末時点で139カ国のクリエイターが参加、登録クリエイター数は25万人以上、販売スタンプ数は2万3000セットを超えているという。海外のクリエイターも継続的に増加しており、現地のクリエイターによるその地域ならではのスタンプが販売・購入されることによって、さらに市場が拡大する好循環を生み出しているそうだ。
ゲーム事業では「LINE レンジャー」「LINE ゲットリッチ」「LINE:ディズニー ツムツム」が引き続き好調。日本、台湾、タイ、インドネシアでは、企業とのコラボレーションやイベント、テレビCMなどのマーケティング活動を積極的に展開したことで売上の増加につながったという。また、9月から提供している「LINE ポコポコ」「LINE ステージ」が日本を含むアジアを中心に好調としている。
広告事業では、「LINE ビジネスコネクト」の導入企業が日本で増加しているという。同サービスは、LINEのメッセージ送受信機能を企業向けにAPI経由で提供し、各企業が自社のCRM基盤としてLINEを活用できるものだ。またアジア地域では、「LINE@」を9月から台湾で提供しており、利用企業が順調に増えているそうだ。
LINEの月間アクティブユーザー数(MAU)は約1億7000万人、LINEがトップシェアを占める3カ国(日本、タイ、台湾)のMAUは約8700万人。登録ユーザー数はアジアをはじめ欧米や南米でも堅調に増えており、コロンビアで1000万ユーザー、米国で2500万ユーザー、インドで3000万ユーザーを超えるなど、1000万ユーザーを超える国は計11カ国にのぼるという。
今後の戦略として、トップシェアを占める東南アジアでは、高いアクティブ率とユーザー基盤をベースに、中小企業や店舗オーナーを対象とした「LINE@」や、Android版LINEを対象としたインセンティブサービス「LINE フリーコイン」など、日本を中心に成功したビジネスモデルを他国にも水平展開し、また各国ごとにローカライズしたコンテンツや独自サービスを提供していく考え。
また、10月のLINE カンファレンスで発表した「LINEマンガ」のグローバル展開や、決済システムの導入、O2O領域の進出も積極的に推進する方針。現在、ユーザーが順調に増えている米国やスペインなどの欧米や、メキシコやコロンビアなどの南米では、ユーザー基盤がプラットフォーム展開を推進できる基準を満たした段階で順次展開していくという。
LINE代表取締役社長の森川亮氏は「コミュニケーションを軸に、プラットフォームとしてさらに進化し、トップシェアを占めるアジア諸国での事業拡大はもちろん、海外展開をさらに加速させ、サービスや売上基盤の拡大に引き続き注力してまいります」とコメントしている。
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