UPDATE 数日間にわたり沈黙を守っていたMerchant Customer Exchange(MCX)が米国時間10月29日にブログ記事を公開し、「Google Wallet」や「Apple Pay」のライバルになることを目指す同グループのモバイル決済サービス「CurrentC」を擁護した。
MCXは、Walmartが主導する小売企業のコンソーシアムで、独自のモバイル決済システムとしてCurrentCを開発した。そのMCXは先週、同グループに加盟しているドラッグストアチェーンのRite AidとCVSが近距離無線通信(NFC)の端末を使えなくして「Apple Pay」をブロックしたとして、評判を大きく落とした。
MCXによると、同グループは加盟店に対しリーダー端末を使えなくするよう指示したことはないという。このリーダー端末があると、スマートフォンなどのNFCデジタルウォレットを搭載したモバイルデバイスを持つユーザーは、デバイスを端末にタッチするだけで買った物の支払いができる。MCXはほかに、MCXの脱会を決めた小売店に罰金を科すことがないことも説明している。
MCXはCurrentCを2015年に全米展開する計画だが、現在CurrentCはまだテスト段階にある。今回の件を受けてこのアプリは消費者の批判にさらされており、「iTunes」内の「iOS」向けCurrentCアプリのページには否定的なコメントが書き込まれている。
CurrentCは現在、NFCではなくQRコードを採用しているが、MCXでは、将来的にはNFCとは別の近距離通信技術であるBluetoothなど、「さらに多くの」技術を追加採用していくとしている。これに加えて、クレジットカードへの対応も実現したいという。
CurrentCは、ほかにも問題を抱えている。MCXは、CurrentCのシステムにサイバー攻撃があったことを認めた。同グループは29日、一部の電子メールのアドレスがハッカーに盗まれた可能性があるとして、テストユーザーに注意を促す通知を出した。MCXは、要求がMCXによるものであると考えられる場合も、電子メールで機密情報を共有しないようユーザーに呼びかけている。
CurrentCに関するブログ記事には、本人確認に使われる社会保証番号や運転免許証の番号などの情報がクラウドに保存されることに対する懸念を抑えられるような詳細な説明はない。「機密情報をモバイルデバイスから削除することで、デバイスがハッキングや盗難などの被害に遭った場合に、不適切な形で公にされてしまう危険性を大きく軽減する」という説明にとどまっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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