ヤフーは10月29日、2014年4~9月期の連結業績を発表した。売上高は、前年同期比2.6%増の2032億6600万円。営業利益は、前年同期比4.1%減の947億9700万円。純利益は、前年同期比2.1%増の666億1900万円。スマートフォン広告事業が好調で売上を伸ばした。
営業利益の減少は、「Yahoo!ショッピング」のストア出店料と売上手数料を無料化するなどのeコマース新戦略の影響に加え、広告やビッグデータ関連、セキュリティ強化のための設備投資を継続したことが要因となった。
2014年10~12月期業績予想は、売上高が3059~3079億円、営業利益が1399~1420億円。
eコマース新戦略の実施から1年が経った。Yahoo!ショッピングのストア数は、2013年9月時点の約2万店から約10倍の約19万3000店に増加。これにともない、商品数は同時期より5割以上増加し1億2000万点を超えた。
注文数も増加しており、停滞していた取扱高も回復基調にあるという。ヤフーでは引き続き取扱高を増加させ、広告売上高を増やしていく考えだ。現在は、専任の営業部隊が全国のさまざまなリアル店舗を回り、Yahoo!ショッピングを売り込んでいるという。
ヤフー代表取締役社長の宮坂学氏は「焦らずに、売り主と商品の数を着実に増やしていきたい」と今後の戦略を語る。「インターネットで収益を上げる事業は、市場シェアの7~8割を獲得し、2位にダブルスコアをつけるようでなければいけない。そういう状態になって初めて『品数が多い』と言える。僅差の1位は大したものではない」(宮坂氏)。
ヤフオク!の取扱高も継続して成長している。新戦略開始後から入札者数が増加し、減少していたストア数も増加傾向。20代の若いユーザー層も取り込めているという。さらなる成長を見据え、リユース体験店舗「ヤフOFF! フラッグシップストア 渋谷センター街店」を開店させるなど、リユース市場の拡大に取り組んでいる。
◇「ヤフOFF!」オープン日の様子
“リユース”体験店舗「ヤフOFF!」誕生--渋谷センター街に旗艦店
◇担当者が語る「ヤフオク!」の今
15周年迎える「ヤフオク!」、CtoC王者の憂いと目論み
宮坂氏は会見で、ポータルサイト「Yahoo! JAPAN」のスマートデバイス版トップページの刷新状況についても説明した。具体的な完了日時は明かさず、現在試験的に表示させている一部のユーザーから得られた結果次第で全体に反映させるという。
新トップページのデザインはタイムライン形式になる予定。宮坂氏は広告事業に絡め「タイムラインのUIに広告を配信するのが、スマートフォンの広告ビジネスにおける1つの“型”になるのではないか」と話し、新デザインに期待を寄せている様子だ。
なお、Yahoo! JAPANのスマートデバイス版トップページはこれまでも変更が加えられていたが、今回のような大幅な刷新はウェブサイト並びにアプリ公開以来初めてとなる。
◇「トップページ刷新」は7月に発表
ヤフー、6年ぶりにトップページ刷新--スマデバで「ポータルの進化形」目指す
◇トップページの変遷
「Yahoo! JAPAN」歴代トップページを一挙掲載--当時のトピックも添えて
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス