Appleの次のイベントが間もなく開催される。その主役は「Mac」と「iPad」になるはずだ。しかし、2014年になって突然、iPadはそれほど刺激的なものに思えなくなってしまった。
なぜなら、iPadはこれまであまり変わっていないからだ。「革命的ではなく発展的な」段階へと確実に入っている。iPadの売れ行きが鈍っている理由はこれかもしれない。
確かに、2013年に発売された「iPad Air」と「iPad mini with Retina Display」は非常に洗練された製品だった。過去最高のiPadであり、完ぺきに近い両タブレットは、熱狂的な米CNETの賞「CNET Editors' Choice」を授与された。しかし、過去のモデルと大きな違いがあったわけではない。iPad Airでの最大の変更点はサイズと新しいプロセッサで、iPad miniでは新しいプロセッサと高解像度のディスプレイだった。
「iPhone」と比べてみてほしい。前年のモデルからの変更点には、スクリーンの大型化、強化されたカメラとプロセッサ、「Apple Pay」といった機能の追加があった。iPhoneは今も進化を続けている製品という感じがする。2年前のiPhoneを使っている人は、アップグレードしたいという気になるかもしれない。そして、iPhoneには今でもまだ成長の余地があり、特にバッテリ持続時間はさらに延ばせる可能性がある。
一方、2012年製のiPadを持っている人は、特に問題なく使えているはずだ。プロセッサは強化されたが、iPadの基本的なコンセプトは変わっていない。つまり、iPhoneとよく似たモバイル向けOSを搭載し、十分なバッテリ持続時間はほとんど変わっておらず、巨大なアプリライブラリを利用できるというタブレットのままだ。
しかしiPadは、筆者が望むPCの真の代替品という段階にはまだ至っていない。筆者は、極めて重要な作業を行うときは今でもPCを使っている。その理由は入力と汎用性だ。入力とはトラックパッドとキーボードのことで、汎用性とは、複数のウィンドウ、より豊かなウェブ利用、真のファイルストレージのことだ。
今回のiPadに関して予想されているのは、「A8」プロセッサ、指紋によるログインと何らかのApple Pay機能をサポートするTouch IDホームボタンで、もしかすると、さらに薄型のデザインになり、ゴールドカラーのオプションも発表されるかもしれない。iPadに実際に必要なものは何だろうか。あまり多くはない。もちろん、iPadに現状のタブレット以上のものを求めるのなら話は別だ。
そこで、以前述べたことの繰り返しになるおそれもあるが、筆者が期待することを以下で説明する。
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