「変化を恐れず、ユーザーとともに歩む」--ゲッティ イメージズCEOに聞くNo.1への道

 ゲッティ イメージズは、静止画、動画、音楽などのデジタルコンテンツを世界100カ国以上に提供する、世界最大級のデジタルコンテンツカンパニーだ。フィルムだった静止画をデジタル化し、オンライン販売をいち早く導入。常に新しい技術を取り入れ、サービスを便利に使いやすく進化させている同社の共同創業者でCEOのJonathan Klein(ジョナサン・クライン)氏に、ポリシーや今後の取り組みについて聞いた。


ゲッティ イメージズ共同創立者兼CEOのJonathan Klein氏

「写真をシェアする」トレンドを力強いものにしたい

--日本オフィスであるゲッティ イメージズ ジャパンでは、8月にNHKインターナショナルとの協業を開始されました。反響はいかがですか。

 NHKとの契約は、2014年初頭に決めた2つの重要な契約のうちの1つです。もう1つが共同通信社との提携で、こちらは4月に締結しました。日本市場では大事な契約を2つとも成功させています。

 日本市場は好調に推移していますが、今回の契約によりビジネスはさらに大きくなるでしょう。私たちのお客様は全世界にいますが、日本やアジアの動画に対するニーズはとても高い。多くのクリップをゲッティ イメージズのコレクションに加えることで、日本のコンテンツを世界に発信していけるはずです。

--日本のコンテンツはどんなところが人気がありますか。

 第1にビデオのクオリティがとても高いことですね。もう1つは解像度の高さです。コンテンツ内容では野生動物や旅、紀行などが人気があり、NHKにはそういったコンテンツがたくさんそろっています。また、2020年の東京オリンピックを控え、世界から日本への関心は高まっています。これは東京オリンピックまで続くと予想しています。

--やはり動画コンテンツが人気ですか。

 動画の伸びは目覚ましいものがあります。2014年にはBBC傘下のBBC Worldwideとも契約を結びましたが、こちらの動画セールスは急成長しています。

 一方ユーザー層も拡大しています。今から15年前は大手企業の方々がお客様の中心でしたが、現在の約150万いるお客様の中には、社員が1~2人で運営している企業の方もいらっしゃいます。以前はごく一部の企業に高価格でコンテンツを販売していましたが、現在では多くのお客様によりリーズナブルに提供することもできています。

--一方で、コンシューマ向けのサービスも開始されていますね。

 ゲッティ イメージズが提供する高品質なコンテンツをウェブサイトやブログ、SNSなどに埋め込めるアプリ「Getty Images iOS」を7月から提供開始しました。これは一般ユーザー向けのサービスで、営利目的でなければ無料で利用できます。プロが撮影した高品質なコンテンツを簡単にシェアできるようになります。

--魅力的なサービスですが、営利目的ではないのですか。

 今の若い世代の人たちは写真が大好きですよね。言葉ではなく写真でコミュニケーションをとっているといってもいいくらいです。Facebookもそうですし、Pinterestなどは最たるものです。この「写真をシェアする」トレンドをもっと力強いものにしたいとの思いからこのサービスを開始しました。プロが撮影した美しい傑作写真も気軽にシェアできる。そんな環境を作っていきたいのです。

 また、6月に開催された2014 FIFAワールドカップでは、公認フォトエージェンシーとしてTwitterアカウントを立ち上げたのですが、ワールドカップ内で一番のフォロワー数を記録しました。

 ゲッティ イメージズというとプロ向けのコンテンツ提供のイメージが強いですが、私たちは写真に関してはとにかくNo.1の位置づけでいたい。一般ユーザーの方においても写真をシェアする行為の中でゲッティ イメージズを知ってもらいたいのです。

 これらのサービスに関しては、通常のビジネス用の写真を提供していますので、追加コストはかかっていません。こうしたサービスを通じて一般ユーザーの近いところでもブランド認知を進めていきます。


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