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「変化を恐れず、ユーザーとともに歩む」--ゲッティ イメージズCEOに聞くNo.1への道 - (page 2)

加納恵 (編集部)2014年10月14日 08時00分
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ユーザーの裾野を一気に広げた「iStock」を買収した理由

--写真をシェアする行為が広まった一方、アマチュアが撮影した写真でも商売ができる時代になりました。そうした動きについてはどうお考えですか。

 ゲッティ イメージズはプロのコンテンツを取り扱っていますが、一方で「iStock」というブランドも展開しています。ロイヤリティフリーの画像やベクター画像を含むデザイン素材を提供しているストックフォトサイトで、こちらでは一般ユーザーの写真を扱っています。

 iStockブランドを展開したことで、これがこれからの写真ビジネス市場を伸ばしていくことができる方向だと確信しました。iStockはゲッティ イメージズでは獲得できなかった新しいお客様をキャッチできたからです。プロの写真は高価で手が出なかったり、あるいは質が高過ぎると感じていた人たちが、iStockの中に自分たちにマッチした写真を見つけることができたのです。

  • 「iStock」ウェブサイト

 元々iStockはカナダで独立して運営していたコンテンツカンパニーでした。2005年に「1ドルで写真を販売している会社がある」と聞き、会いにいくと、彼らは「将来はプロではなく一般ユーザーが撮影したコンテンツが有望になる」と言うのです。ゲッティ イメージズとは全く異なるビジネスモデルでした。

 私たちの中には、彼らの存在を快く思わない社員も正直存在しました。でも私は、ならばiStockを買収しようと思ったんです。買収に対しては、社内で食い合いになるという意見もでましたが、それならそれでいいと思いました。こちらが食われてしまうよりも、内部で食い合った方が全然ましですから(笑)。

 しかしこの買収は、思わぬ効果を生み出しました。iStockを利用してくれたお客様がゲッティ イメージズへと流れてきたのです。ゲッティ イメージズの戦略は、お客様の予算に関わらず、とにかく写真を提供することです。ですから価格においても、質においてもいろんなレベルのものを用意できることが大事です。ゲッティ イメージズとiStockの2つのブランドがあるからこそ、今はどちらもいい形で動いているのだと思います。

 2つのブランドを展開することは、課題もありますが期待感も強いです。この2つのビジネスをどの程度近づけるかは常に考えていますが、現時点でははっきりと分けて考えるようにしています。

自分の首を締めても技術の前に立ちはだかってはいけない

--iStockの買収もそうですが、素材のデジタル化、受け渡しのオンライン化と、ビジネスの変化のタイミングが業界に一歩先んじているように感じます。

 確かに、この業界の次の変化はなんだろうと常に考えていますね。これは私に限らず社風としてあります。実はデジタルコンテンツカンパニーの競合他社が私たちよりもうまく商売をしていくことについては心配していません。むしろ懸念があるのは全く違ったビジネスモデルです。私たちとは全く違うライセンスモデルを持ち、お客様がもっと簡単にコンテンツを入手できる方法が出てくる、そうした懸念は常に持っています。

 約20年前、ゲッティ イメージズを立ち上げた時は写真を取得する方法は1つしかありませんでした。権利を管理し、ライセンスを得る方法のみです。そのため写真を購入するのはとても複雑な手順が必要で、時間もかかりました。

 当時はそれが当たり前だったのですが、写真をデジタルに、課金を簡単にすれば、もっとこの事業は受け入れられるだろうと思いました。こうした考えは「自らの首を締める」という声もありましたが、私はこのとき、「自分の首を締めてでもやるべき」だと、社内におけるデジタル化を推進しました。

 私たちが技術の前に立ちはだかるような真似はしてはいけませんし、お客様の前に立ちはだかってもいけないのです。ゲッティ イメージズは、技術とお客様とともに歩んでいく企業でなければならないのです。この判断により、販売価格も下げられましたし、何よりも市場が拡大しました。

 ゲッティ イメージズにはこの市場を切り開いてきたという自負があります。手軽かつ手頃に写真を提供するシステムを構築したい。常にそう考えて仕事をしてきました。

 デジタルへの変化、新会社の買収など、変化する時代のタイミングと合ったのは運が良かったと思っています。しかし、それ以上に次のトレンドは何かを常に考える、という社風が功を奏していると思います。

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