「成功するEC、失敗するEC」--GMOペパボとBASEが挙げる実例

井指啓吾 (編集部)2014年10月09日 12時01分

 KDDIウェブコミュニケーションズが9月25日に開催した「THE WEB EC SUMMIT 2014」で「ネットショップの変遷から見る、ネットショップ成功のカギ」と題されたパネルディスカッションが行われ、成功・失敗するECの特徴や、2015年のECの展望などが語られた。

 パネリストは、GMOペパボ代表取締役社長の佐藤健太郎氏、BASE代表取締役の鶴岡裕太氏。モデレーターは、技術評論社 クロスメディア事業部 電子出版推進室 室長の馮(ふぉん)富久氏が務めた。


左から、モデレーターの馮富久氏、GMOペパボの佐藤健太郎氏、BASEの鶴岡裕太氏

 GMOペパボは、ハンドメイド作品の展示や売買ができるCtoCオンラインマーケット「minne(ミンネ)」や、ネットショップ作成サービス「カラーミーショップ」などを運営。またBASEは、初期費用や運営費が無料のネットショップ作成サービス「BASE(ベイス)」を運営している。

成功するEC、失敗するEC

――(ECの成功要因は「ファン作り」という話を受けて、)実際に自社サービスを使っている方で、いいなと思うショップはありますか。

鶴岡氏:直近で言うと、女子美大生が作っている「feast(フィースト)」というブランドのもの。商品が増えているなか、アマゾンや楽天などとどう差別化するか、ブランディング、キャッチコピー、マーケティングがとても上手い。1日に数百万もの売り上げを立てていました。

 要するに、TwitterやFacebookを使ったブランディングや、そこでバズらせられること。そういうものを駆使できているところは上手い。ただし、それは一例で、やはり継続してファンを作ることが大切だと思います。

――そのショップが成功したポイントというのは、ブランディングが上手かったということ?

鶴岡氏:「シンデレラバスト」をキーワードとするランジェリーブランドだったのですが、最初に製品のコンセプトをTwitterに投稿したら、その日のうちに1万RTされ、夜にはネットショップを作ってティザーとして公開していました。

 ぱっと市場に投げたらリアクションがもらえて、じゃあすぐにネットショップを作ろうとなり、次の日から売り上げを立てていく。そのスピード感と、流れを読む力。またそれをキャッチアップする力はすごいと思います。


――ショップや製品を作る前に、ネットで評判を聞いてみるというのはすごくいい戦略かもしれないですね。GMOペパボのサービスではどうですか。

  • 「ブエノチキン浦添」ネットショップ

佐藤氏:沖縄にチキンを売っているお店があって、そこの娘さんがそのお店のECを立ち上げました。チキンしか売っていないのですが、すごくかっこいい。テレビなどにも取り上げられるようになって、メジャーになっています。

 チキンを売っていることに対して信念を持って、「両親がお店でこんなことをやっている」というのをブログで書いたりしていて、「そのチキンを食べてみよう」とさまざまな人達の共感を呼んだ。結構リピーターが多いみたいです。これは成功事例だと思います。


GMOペパボ代表取締役社長の佐藤健太郎氏

―― 一方で、失敗するEC。「できればやめたほうがいい」というようなアドバイスはありますか。

鶴岡氏:BASEの場合、Amazonや楽天で販売されている、ナショナルブランドの商品などを販売しても、全然売れないかもしれません。たぶん価格競争で負けてしまうので。

佐藤氏:商品の情報が全然ないサイトは買われないです。商品情報が多く書いてあった方がいいし、写真は背景がしっかりとして、光を当てて撮ったような写真のほうが、同じ商品でも、見た人の印象がいい。「売ろう」という気持ちがあるECサイトじゃないとものは売れない。

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