ただし現在のところ、対応が予定されているのは「iD」や「楽天Edy」など一部にとどまっており、「Suica」「WAON」など利用者の多いサービスは対応が未定となっている。この点について担当者に確認したところ、「iPhoneでおサイフケータイ機能を使いたいという声が多かったことから、いち早くデバイスを投入することを優先した。FeliCa対応のものであれば他のサービスも対応できる。今後各サービスがアプリやシステムを対応させていくのではないか」と答えている。
もう1つ、注目を集めていたのが「ポータブルSIM」だ。これは、対応するスマートフォンやタブレットとNFCで認証し、BLEで接続することで、音声通話やデータ通信の利用を可能にするデバイス。SIMカードの抜き差しをすることなく、マルチデバイスでの利用を実現する。
SIMカードを挿入しているデバイスと認証すれば、同じ端末を用いながらビジネスとプライベート、複数の電話番号を使い分けられる「2in1」のような仕組みも実現できるとのこと。また、SIMカードのセキュリティ領域を利用して、ウェブサイトを利用する際のIDとパスワードを管理し、自動入力できる仕組みも実現できるとのことだ。
担当者によると、展示されているポータブルSIMは、より小型化が可能だという。それゆえどのようなデザインが適切か、モックアップを作成したりしながら、実用化に向けたさらなる検討を進めていくとしている。
他にも、将来の展開を見据えた技術がいくつか展示されていた。1つは、車が現在の状況を把握し、声で話しかけながら会話を繰り返すことができる「対話型車両エージェント」。現在の場所や、車の走行状態などを把握しながら、状況を踏まえた上でドライバーと車との対話を実現できるとしている。
また、キャリア各社が現在導入を進めている、「LTE-Advanced」の次の世代となる通信システム「5G」に関する展示も実施している。5Gは、2020年にシステム容量を現在の1000倍、通信速度100倍を実現することを目指し、世界各国で研究開発が進められている。
ドコモでは、既存の低い周波数帯に加え、3GHz以上の高い周波数帯と、スモールセル技術、そして志向性のあるアンテナ素子を多数用いることで多くのユーザーの同時接続を可能にする「Massive MIMO」などの技術を組み合わせ、5Gの高速・大容量通信を実現する考えとのことだ。
またブース内には、5月より実施している、アルカテル・ルーセントやノキア、NECなど世界各国の通信ベンダーとの5Gに関する実験の取り組みや、それに用いる機器なども展示。2020年を見据えた取り組みを進めていることをアピールした。
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