NTTドコモは9月30日、2014年冬~2015年春モデルの新商品・新サービス発表会を開催した。冬春モデルと新サービスの内容は既報の通り。発表会では同社代表取締役社長の加藤薫氏が、事業戦略や新領域の取り組みについても説明した。
加藤氏は、KDDIやソフトバンクに対する今後の優位性の持たせ方について「ベース中のベースであるネットワークは、最先端のものをできるだけ早く入れていこうと思っている。225Mbps(LTE-Advanced)を一番早く、と。当然、(現在対応しているデータ通信端末だけでなく)スマートフォンにも対応できるように準備をしている。同時にサービスを磨き上げていきながら、取捨選択をして、ニーズのあるところに寄せていく。バリュエーションとチューニング(絞り込み)が我々の強みになっていくと思う」と話した。
ドコモは現在、ヘルスケア事業に力を入れている。新サービスとして、着るだけで心拍数などの生体情報が測れる素材「hitoe」と連携した運動支援サービス「Runtastic for docomo」を12月に開始する予定だ。利用料金は月額税抜350円。
スマートフォンなどの対応デバイスを用いて計測した運動時間や距離、ペース、消費カロリー、移動経路などのトレーニングデータをクラウド上に蓄積し、専用のアプリケーションやウェブページから確認できるもので、詳しい分析やコーチングを受けたり、友人と活動記録を共有したりできる。
加藤氏は、“健康”という人間の関心事に貢献できないかと以前より考えているとし、「人間のトータルな健康に寄り添いながら、サービスを提供したい」と思いを語る。他キャリアとの差別化という観点では「ウェアラブル端末であり、心拍(を測れるもの)は進んでいると思っている」とコメント。他社もさまざまな分野で工夫を凝らしてくることかた、切磋琢磨しながらやっていきたいとした。
新たな領域として、パイオニアとの協業により開発した自動車向けのミラー型テレマティクス端末を、2014年度内にパイオニアから発売する予定。価格や販売経路などは未定だ。
端末には、NTTドコモのLTEに対応するデータ通信モジュールを搭載。音声対話が可能なドライブエージェントを採用しており、施設、渋滞、天気、ニュースなどの情報を対話形式で引き出せるという。
今後のプロモーション戦略は「考え中」(加藤氏)とし、販売チャネルは「カー用品店と思ってもらっていい」と明かした。
iPhone 6とiPhone 6 Plusの発売から10日が経った。Android端末とiPhoneとの売り分けについて加藤氏は、ユーザー層や購入希望者層などの興味に違いがあると指摘。「(Android端末は)根強い人気がある」とし、冬商戦の売上に期待を寄せる。
新iPhoneの販売数は「順調に伸びている」とし、ユーザー争奪戦の現状はどうかとの問いには「私の中にはそれ(争奪しているという認識)がない」と笑って返した。
加藤氏はプレゼンテーションの最後に、子会社であるらでぃっしゅぼーやの新商品も紹介した。壇上で同社の商品「みんなの健康を考えた野菜たち」を飲むパフォーマンスを披露。「前から思っているが、(飲み心地が)さらっとしている。そして濃い。さらに、心地よいつぶつぶ感がある。これで非常に飲みやすくなっている」とアピールした。
囲み取材時に「新規事業のコミットメントが追い込まれているという印象を受ける」と言われた加藤氏はこれを否定し、「(らでぃっしゅぼーやから)新商品を紹介された際に、広く知ってもらいたいと思い、その場としてこの発表会を選んだ」と説明した。
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